暖かい地域ではすでに桜が咲き誇り、渓流釣りシーズンが本格化しようとしています。川面にはカゲロウが飛び交う春。しかし、筆者の住む長野県北部はまだ冬の名残が濃厚で、よい釣りをするのはまだ少しかかりそうです。

 そこで春を求めて南下、中京・東海地方で人気の渓流釣りフィールドの清流・寒狭(かんさ)川へ行ってきました。初めての場所でのフライフィッシングです。果たして釣果はいかに。

■釣り人に人気の清流「寒狭川」と特徴的なゾーニング

各エリアの釣法が表記されたノボリ。駐車スペースも随所に用意されているのがありがたいです

 愛知県東部を流れ三河湾に注ぐ豊川。巴川、島田川など、いくつかの支流が蛇行しながら流れる上流部は寒狭川(かんさがわ)と称されています。名物の鮎以外にもアマゴを中心とした渓流魚たちが泳ぐ清流は、新東名高速道路・新ICからも近く、そのアクセスの良さから中京、東海地方の渓流釣りフィールドとして人気のエリアです。

 寒狭川中部漁協が管轄するエリアは“ゾーニング”されています。同じ渓流釣り愛好者でも、釣った魚を持って帰って食べたい人がいる一方、魚とのやり取りや撮影を楽しみたいだけの人もいます。ここでは、釣法も含めて場所によって制限を設けることで、一般的な渓流釣りを楽しめる場所もあれば、釣った魚を元気なままリリースする義務があるC&R(キャッチ&リリース)区間もあります。さらに種の存続のために禁漁区となっている場所も存在します。

 キャッチ&リリース区間「毛ばり釣り専用」と「ルアー専用」があり、さらに「餌釣り専用区間」や濃密放流している特別区である「濃密放流区」もあります。さらに今季はキャッチ&リリース区間として「毛ばりルアー共用区間」が新設されています。それ以外、釣法の指定のない本流(持ち帰りは1日10匹まで)もあります。

寒狭川中部漁業協同組合

■桜美しい山里の春、花見がてらのポイント探し

満開の桜の花が彩る流れについ見惚れてしまいます

 4月上旬の山里は桜が咲き誇り明るく輝いていました。初めて訪れた場所ですが、その美しさに見惚れてしまいます。流れに集中するより桜を愛でる時間の方が長く、すっかり花見気分でポイントを見てまわりました。

 複雑なゾーニングと山間を縫うような山道でのポイント探しは、土地勘がないと少々ややこしく頭を悩まされます。また、とにかくエリアが広いのが特徴で、曲がりくねった道は道幅の変化が著しく、いきなり車線が減ったりするのでよそ見運転は事故の元です。

 車を駐車してから車道から流れをチェックして回ったので、けっきょく半日近くドライブに費やしてしまいました。車道沿いに各エリアが明記されているノボリが立っているので助かります。駐車スペースも程よく用意されているは釣り人にとって非常にありがたく、ウキウキしながら川見を楽しめました。