体の割に力強い引きとダイレクトなアタリが魅力のカサゴ釣り。岩礁帯やテトラポット、堤防の足元などで釣れることから、初心者にも人気のターゲットだが、なかには思うような釣果を得られなかったアングラーも多いのではないだろうか?
ほとんど移動することのない「カサゴ」は、釣りつくされてしまうと、そのポイントは「カサゴ」の少ないポイントになってしまう。新たな移入がすぐには期待できないからだ。テトラポットや堤防の足元などの狙われやすい所ならばなおさらだ。そこで今回は、定説を覆す釣果が実体験で得られた「サーフエリアでのカサゴ釣り」を紹介する。
■サーフで「カサゴ」を釣る魅力

「カサゴ」のメインフィールドは岩礁帯やテトラポットだが、今回おすすめするフィールドはサーフエリアだ。
サーフでのカサゴ釣りの魅力は、狙う釣り人が少ないことと、釣れるカサゴが大きいということだ。実際に筆者は30cmを超える大型のカサゴを、海底が砂地のお台場で釣り上げている。筆者の仮説や憶測も入るが、本記事を参考にチャレンジしてみてはいかがだろう。
●なぜサーフで釣れる魚は、平均サイズが大きいのか?
根魚であるカサゴは岩礁帯やテトラポットなどの人工的なストラクチャー周りに身を隠すようにして生息している。しかしエサを求めて生息域を離れ、エサの豊富なサーフエリアで捕食活動を行う場合がある。変化に乏しい砂地だけのように見える場所にも、エビやカニなどの甲殻類、小魚などのベイトが集まってくる。カサゴにとっては捕食しやすいエリアのひとつなのだろう。
ただ、サーフは身を隠す場所が少なく、大きく成長していないカサゴにとっては外敵に襲われるリスクを伴う。そのリスクを負いつつたくましく捕食活動ができるのは、外敵から襲われない、大きく成長した個体に限定されるのではないか? カサゴに限らず、メバルなども同様の現象がみられる。ゆえにサーフでの釣りは効率的にランカーサイズが狙えるというわけだ。
■「カサゴ」が釣れるサーフの条件

サーフでカサゴが釣れるといっても、砂浜ならどこでも釣れるわけではない。筆者は2つの条件をもとに釣れるか釣れないかを判断している。
●近くに生息域があること
ひとつ目の条件は、カサゴが生息するような岩礁帯や人工的なストラクチャーが近くにあることだ。エサを求めて生息域を離れるといっても、回遊魚のように大きく移動するわけではない。沈み根が点在していたり、岩礁帯が接していたりするサーフで捕食をおこなっていると考えられる。
沈み根や岩礁帯がなくても、急に深くなるような場所もポイントになる。見分け方は、砂利のような粗い砂があることだ。
●エサを集める要素があること
ふたつ目の条件は、エサとなるベイトが集まりやすい環境であるかということだ。潮の流れや地形など小さな変化がベイトを集める要素になるサーフ。筆者が注視する要素は、川の流れ込みがあったり、街灯が効いていたりすれば、経験上カサゴが釣れるポイントと判断する。
