■自分の好きなことと地域貢献が重なる活動を探してみる

僕は現在、トレイルランナー、珈琲焙煎、さつまいも農家の3つを生業にしています。この3足のわらじを中心に、自分の好きなことと地域貢献が重なる活動をあれこれ考えてきました。
例えば、龍神村全体で地域活性化のための会議が開かれて、幻の熊野古道と呼ばれる「奥辺路」の存在にスポットが当たったことがありました。僕はトレイルランナーとして、この道を使ったガイドツアーを行ったり、メディアに露出をして村の存在をPRしたりしています。

また、僕が焙煎所を構えている温泉街の喫茶店「豆んと森珈琲(まめんともりこーひー)」も、きっかけは地域としてこの店舗をなんとかしたいと声をかけられたからです。移住当初、畑を有効活用して地域の特産品作りをしたいからと協力を頼まれたことももあります。結果的にその事業自体はなくなりましたが、現在はその畑でさつまいもを作るようになりました。

村を盛り上げるために活動する方々へのリスペクト、そして僕自身がやれることを増やしたいという思いが合わさって、協力し合いながら現在の活動があります。しかし、畑の管理に手が回らない、カフェを安定して開けれない、アウトドアイベントをもっと開催したいなど、あれこれやりすぎると自分の理想をうまく表現できなかったり、事業として成り立たなかったりもするのが難しいところです。
事業としてお金を稼ぐこと。ボランティアとしてやりたいこと。この2つがごちゃごちゃになってしまうと、自分の生活が回らなくなり、正直不安になることもありました。
■共感や協力してもらえる都会の仲間の存在も大切

そこで、僕はビジネスのプロデュースが得意な仲間に事業の優先順位を整理してもらい、龍神村での活動のプロデュースやアウトドアイベントでの発信の場を作ってもらいました。結果、トレイルランナーとしてスポンサードをしてもらっているアウトドアブランド「マウンテンハードウェア」を通じて龍神村での活動をアピールする機会をもらったり、アウトドアウェブメディア「ブラボーマウンテン」などの媒体で発信の場を得ることもできました。

田舎暮らしでは当たり前かもしれませんが、まずは自分の生活のために稼ぐことが大事です、僕は自分がやりたいことの方に優先順位がいってしまって手が回らなくなりがちですが、珈琲やさつまいも農家として都会と繋がる中で、生活基盤を作れることはとても有り難いです。龍神村での活動の発信に協力してくれたり、共感してもらえる都会の仲間の存在は、とても心強く感じています。

田舎暮らしでしたいことをやり続けるには、経済的な体力が必要不可欠です。また柔軟な考え方や企画力も必要です。地域活性化を地域内だけで行うのではなく、都会に住む関係人口と一緒になって事業として取り組むことができれば、経済的体力や企画力を補うことができます。
そのためにも、都会の企業が一緒に事業をしたいと思える“地域の魅力”を掘り起こすこと。そして、活動と発信をし続けて“その魅力を育てること”が大事だと思います。
その魅力とは、フィールドだけではありません。頑張っている田舎の人達自身でもあるのです。