温泉といえば冬、冬といえば雪、今回、冬を堪能できる温泉旅をしてきました。旅の拠点とするのは温泉の湯量が日本で第3位という奥飛騨温泉郷に決め、一度泊まってみたかった星野リゾートの温泉旅館「界 奥飛騨」をセレクト。
周辺観光としては、世界遺産の白川郷の散策や、新穂高ロープウェイを利用し標高2,156mの展望台から雪をまとった美しい北アルプスの絶景を堪能。さらに宿から車で約3分の平湯温泉スキー場でウィンターアクティビティを楽しむという2泊3日の大満喫プランとなりました。全てに雪の降る地域・季節だからこその魅力が詰まっています。ぜひ冬の温泉旅の参考にしてみてください。
■富山駅から世界遺産「白川郷」へ
奥飛騨は岐阜県高山市にあります。東京からは、新宿から奥飛騨へ直通の高速バスもあり、松本や名古屋からもアクセスできますが、今回は、あえて富山から車で向かうことにしました。。高速道路を利用することで、山間部での狭い道を走ることも少なく、そして大満喫プランを効率的にまわりたいからです。東京駅から富山駅まで新幹線に乗り、富山駅からレンタカーを走らせます。まっすぐ奥飛騨へ向かってもいいのですが、約2時間かかるため、途中休憩も兼ねつつ、まずは白川郷に立ち寄りました。
●合掌造りの屋根が美しい白川郷
テレビで何度か見ていつか行ってみたいと思っていた白川郷。世界遺産に登録されているこの集落は、昔ながらの合掌造りの建物が数多く残り、今でもそこで生活している方がいます。住民の皆さんが使っている道を観光のお客さんも一緒に歩かせてもらいます。
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白川郷の中で国の重要文化財として指定されている「和田家」を見学しました。「和田家」は、集落の中で最大規模の民家。江戸時代初期の建築文化を見ることができます。白川郷の重要な現金収入減であった焔硝(えんしょう)の取引によって栄えたそうです。
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また、広い屋根裏は採光性と通気性に優れ、蚕が育ちやすい環境にあります。焔硝とならび、養蚕業により生計が立てられていました。
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「和田家」の次は、集落の高台から見渡せる展望台へ坂道を約20分ほど登って向かいます。周りを山に囲まれた白川郷全体の美しい街並みを眺めることができるのでオススメです。
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遠くから眺めていると、集落の建物が同じ方向を向いて建っていることに気づきます。それは風が谷に沿って南北に吹くので、窓を開けると風が通り、夏は涼しく過ごせて蚕が弱らずに済むためとのこと。上手に自然の中で暮らしていくための知恵がありました。
村内を散策していると、行列ができているお店「白川郷 ぷりんの家」を発見。何やら「日本プリンアワード2022」にてグランプリを受賞したお店だとか。グランプリを受賞した「水ぷりん」を買ってみると、なんと下半分が透明! 地元のきれいな湧水を使っているそうです。透明な部分は爽やかなゼリーでなめらかなカスタードと相性がよく美味しかったです。
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白川郷は、資料館のように家屋を再建したり移築した訳ではなく、今も生活されている方がいることに都会とのギャップを感じつつも、ずっと大切にしたい日本の原風景がありどこか懐かしさがこみ上げてくる場所でした。
■昔ながらの街並みが残る高山市へ
白川郷から奥飛騨温泉郷へ行く途中、高山市の「古い町並」も散策してみました。高山の古い街並みは、江戸時代から残る伝統的な建物や商家が立ち並び、風情ある景観を楽しむことができます。
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特に「さんまち通り」と呼ばれるエリアが有名で、木造の家屋や蔵が並び、土産物店や飲食店も多くありました。散策しながらカフェで一休みするのもオススメです。
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高山市は良質な水が豊富で、日本酒の醸造に適しているそう。地元で栽培される米を使用している蔵も多く、いろいろと味わってみたくなりました。
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■星野リゾートの温泉旅館「界 奥飛騨」
高山市を経て奥飛騨温泉郷にある宿へ。今回宿泊する「界」は、星野リゾートが全国で展開する温泉旅館で「王道なのに、あたらしい。」をコンセプトにしているブランド。「界 奥飛騨」は、“山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿”として2024年9月に開業されました。
駐車場に車を停めているとスタッフがお出迎えしてくれ、お部屋に案内してくれます。チェックインはフロントではなくお部屋で行います。今回は、ちょっと贅沢に露天風呂付のお部屋にしてみました。西館のお部屋は全て露天風呂付きになっています。
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露天風呂は設定した温度と湯量に常に保たれ、いつでも入浴可能。そのまま横になって休めるデイベッドがあるので、出たり入ったり、永遠に過ごせそうでワクワク。大きな窓はブラインドで調整できるので入浴時は外から見えないようにすることができます。
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ベッドの上には飛騨の伝統工芸である曲木をモチーフにしたヘッドボードが。木の温もりとモダンな雰囲気が素敵です。加湿器も常備されているのが、個人的には嬉しいポイント。
●すべてが柔らかく癒される大浴場
大浴場は宿で唯一、源泉3種をブレンドした「あつ湯」と、入りやすい「ぬる湯」に「露天風呂」があります。全身を洗ったら、まず「ぬる湯」で体を馴染ませてから「あつ湯」に移動する入浴方法が推奨されています。
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露天風呂は、白く柔らかな曲線を描く壁が天井へと続き、まるで雪に囲まれているよう。実際に雪が積もっているけれど、壁と雪の境目が分からないほどリアルなデザインでした。体によく馴染むお湯、ゆったりとしたピアノのBGM、ぼんやりと空間を照らす間接照明(夜間時)、そのすべてが柔らかくてリラックスせずにはいられません! この時期特有の顔にあたるキンと冷えた空気も相まって、筆者の大のお気に入りの場所となりました。
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大浴場にはオリジナルのアメニティやダイソンのヘアドライヤー、ヘッドが大きくて湯量豊富なシャワーヘッドにふわふわバスタオルなど、女性にとって嬉しい配慮が随所にあり快適に過ごせました。
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入浴していて気付いたことが。最近は温浴施設で外国人の方と一緒になる機会が増えています。「界 奥飛騨」で出会う外国人旅行者と思われる方はみな、最初に全身を洗って長い髪を結い、静かな声で会話をしながら入浴していました。(中学生くらいの子も!)ここまでマナーが良いことに正直驚き、宿の方に聞いてみるとチェックイン時に入浴作法をお伝えしているのだとか。張り紙だけでは伝わりきらないことが多いので、こういった丁寧な取り組みの賜物なのだと感心しました。