今年の立春は、2月3日。二十四節気における春の始まりであり、春夏秋冬が巡る一年の始まりでもある。寒くて日の短い冬から、暖かくて日の長い春へと、着実に移り変わっていくのが実感できる季節の到来だ。
花粉症のぼくにとっては、花粉はもちろんのこと、黄砂も気になり始めるタイミング。おまけに気温が上がってくると春霞が起こり、空気の澄んだ景観をさえぎってしまう。遠くの眺望を楽しむ目的で低山を歩くなら、2月のうちに計画するのが吉。
そんなわけで、抜群にきれいな冬の海を眺められる山を1つ、関西から取り上げたい。暖かな黒潮と温暖な気候に恵まれた和歌山県田辺市の名低山「高尾山」が2月の推しだ。
■紀州の高尾山は、東京の高尾山よりちょっと高くて絶景!
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高い尾根を意味する高尾山。日本各地に同名の山がいくつかあるけれど、もっともよく知られているのは東京の高尾山(たかおさん)だろう。登山客が世界で一番多い“ギネスの山”でもある。標高は599mで、波打つように重なる低山と、その向こう側にそびえる富士山の景観は人気が高い。
一方で、今回紹介する田辺の高尾山は「たかおやま」と読み、地元の和歌山県はもとより関西圏のハイカーによく歩かれている山だ。東京の高尾山よりわずかに高い標高606mの山で、山頂からやや南に下ったスカイパークからの眺めは、圧巻のパノラマビュー。山が低くて街が近いため、低山ならではの“低い絶景”を楽しめるのが高ポイントだ。眺望なら、こちらの高尾山が秀でている。
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山頂に登ると、眼下に迫るのは和歌山県第二の都市である田辺の市街地と、みかんや梅を栽培する里山。田辺湾の入り組んだ海岸線、そして青く美しい海もすばらしい。
これぞ紀州と唸る風景を眺めながら、のんびりコーヒータイム。持っていくおやつは、紀伊田辺駅近くの鈴屋で売っているデラックスケーキがお気に入り。これがとても美味しくて、カロリーを消費する山歩きにピッタリ。田辺に行くならぜひご賞味あれ。
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