■3つのスノーブーツを比較テストしてみた
気温マイナス5℃のもと、深雪や圧雪、融雪剤によるシャーベット状の雪や水たまりなど、あらゆる状況でのテストを実施した。
●雪の中を歩いて、防寒性をチェック
積雪20cm程度の雪原を30分ほど歩いて、暖かさを比較してみた。
「ケベック」ケベックネオほどの暖かさはないが、特に冷たさを感じず、普段使いなら全く問題がない。
「ケベックネオ」つま先まで全く冷たさを感じない。ボール状の中綿が入ったアッパーと、厚手のインナーソールがもたらす防寒性に驚いた。
「防寒ラークスハイランダー」10分でラバー部分に冷たさを感じた。しかし、30分間歩き終えてもジンジンくるほどではなく、靴下を工夫すれば凌げるレベル。
●さまざまな条件下で防滑性をチェック
湿った雪/街中で遭遇することが多い湿ったシャーベット状の雪道(融雪剤で溶けかかった雪)。ズルズルと横滑りをしやすい状況下で、各ブーツの歩きやすさを検証した。
「ケベック」溝は浅いが、アッパーがタイトなため踏ん張ることができた。
「ケベックネオ」厚いインナーソールと柔らかいアッパーの影響か、ブーツの中の足が動く印象を受けた。その影響か踏ん張りが効きにくい。
「防寒ラークスハイランダー」アウトドアソールの深い溝と、くるぶし上までしっかり締められる靴紐で踏ん張りが効いた。横滑りに強く、歩行も安定した。
圧雪路とアイスバーン/歩行や車で踏み固められた圧雪路面や濡れた氷上では、どのブーツも滑らないとは限らないので注意したい。
「ケベック」吸い付く感覚があり、乾いた氷上では滑りにくい。しかし、滑り始めてしまえば危険なので過信は禁物だ。
「ケベックネオ」WMアイスソールを採用したソールのため踏み固められた雪や、乾いた氷結路に対して滑りにくい印象。ただしケベック同様、過信は禁物だ。
「防寒ラークスハイランダー」接地面が少ないソールのため心配したが、意外と滑らない。しかし、ケベックやケベックNEOよりは滑り始めが早い印象。
窪地にみられ、濡れの原因にもなる「水たまり」。極力避けたいが、水たまりの中を歩かざる負えない場面もあるだろう。実際に街中で遭遇しそうな深さ5cmから10cm程度の水たまりを想定し、10分ほどバシャバシャと歩いてみた。
「ケベック」接地面から4cmまでが完全防水だが、たまに足の甲まで水を被る程度では浸水はない。アッパー部分は撥水加工が施されているため、その効果と想定されるが、あくまでも「撥水」なので気をつけたい。
「ケベックネオ」履き口まで完全防水のため、全く浸水はない。
「防寒ラークスハイランダー」接地面から7cmまで完全防水。足の甲まで水を被る歩き方をしたが、全く浸水はない。
■ブーツを履いたまま、車を運転してみる
ブーツを履いて車の運転をしてみた。「ケベックネオ」はやや大きなボリュームのため、アクセルやブレーキ操作に多少不安な部分があったが、結果どのブーツでもブレーキやアクセルを普通の靴同様に操作でき、運転に支障がないことがわかった。
■ワークマン店長のコメント
筆者が通うワークマンの店長から、各スノーブーツの評判や印象を伺った。
●ケベック
老若男女かかわらず、コンスタントに売れているロングセラーモデル。軽さや暖かさ、歩きやすさで普段使いしやすく、コスパがよいのも人気の理由だと感じている。
●ケベックネオ
積雪の予報があると売れ出し、年齢にかかわらず人気である。雪が降り始める頃に山沿いに住むユーザーが来店され「雪かきなどに便利だ」と買い求めていく。滑りにくさや暖かさも評判が高い。自分も愛用しているが、アッパーの柔軟性があるためブーツの中で足が動き、バランスを崩しやすいことがあるのが少し残念。
●防寒ラークスハランダー
ビジュアル的に人気があり、20代から40代中心に売れている印象。自分も履いていたが、シャーベット状の雪道でも踏ん張りが効き、それほど滑らない。ただ、バイクに乗るお客様から「足先が冷たくなり、厳冬期は靴下の工夫が必要」と言われたことがある。
■ワークマンのスノーブーツで快適に冬を過ごそう!
今回紹介したワークマンのスノーブーツは、2,000円台という低価格帯ながら、高い保温性やグリップ性能など、雪道に対して高いパフォーマンスを示すことがわかった。雪の有無に拘わらず冬に普段使いができる「ケベック」、凍結路や積雪時におすすめの「ケベックネオ」、キャンプなどのアウトドアでオシャレに履ける「防寒ラークスハイランダー」と、それぞれに特徴がある。今年の冬は実用性があり、コスパがよいワークマンのスノーブーツで過ごしてはいかがだろう。
※この記事の情報は2025年1月現在のものです。価格や在庫状況が変更されている場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。