寒い季節、特にアウトドアでは温かい飲み物が恋しくなる。一方で、いくら「ホット」であっても体を冷やしてしまう飲み物もある。寒さの中で活動するアウトドアでは、ただ温かいだけでなく「体の芯から温めてくれる飲み物」を選ぶことが重要だ。本記事では、体を冷やしてしまう飲み物と体の中から温まる飲み物、さらにおすすめドリンクレシピを医師の鬼沢正道氏に教えていただきながら紹介する。冬のアウトドアを快適に過ごすために、ぜひチェックしてみてほしい。

■実は冷える?  注意したい飲み物

 アウトドアやリラックスタイムに欠かせない飲み物でも、種類によっては体を冷やしてしまうことがある。 特に寒い季節や体調が気になる際には注意が必要だ。

●コーヒー

コーヒーの飲み過ぎは、注意が必要

 アウトドアで定番の飲み物といえばコーヒー。コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を活性化させて代謝を高めることで、血流を改善させる効果がある。しかし、それは少量の場合に限られる。長期間や大量に飲み続けると、逆に血管を収縮させ、冷えの原因となることも。コーヒーは適量を心がけ、飲みすぎには注意したい。

●ビール

ビール好きでも寒い季節はほどほどに

 アルコール飲料は飲み方や種類によって、体を冷やしたり温めたりする飲み物。ビールはアルコール度数が比較的低く、のどごしもよいため飲みやすいが、原材料の麦に含まれるカリウムが体を冷やす要因になると言われている。

 また、アルコールは一時的に体が温まったように感じるが、長時間の血管拡張により熱が外気に奪われ、結果的に冷えの原因となる。酔うと感覚が鈍りやすいため、特に冷えやすい環境下では飲みすぎないように気をつけよう。

●緑茶

緑茶の中でも、最高級の玉露はカフェイン率が高い

 緑茶は健康的なイメージがあるが、意外にもカフェインを多く含む飲み物だ。特に高級品とされる「玉露(ぎょくろ)」には、ほかのお茶よりも多量のカフェインが含まれ、コーヒーと同様に過剰な摂取は血流を悪化させて、冷えの一因となることがある。

 さらに、カフェインには強い「利尿作用」があり、飲み過ぎるとトイレが近くなるのも気になるところ。尿を排出すると体温が奪われることとなり、結果的に体はどんどん冷えていく。緑茶を楽しむ際も、適量を心がけることが大切だ。