■体を芯から温めるホットな飲み物

 寒い季節や冷えを感じるときには、体を内側から温める飲み物が効果的。紅茶やココア、日本酒、赤ワインなど、それぞれに特徴があるが、飲み方や量に気をつけることがポイントだ。

●紅茶

紅茶はアレンジもしやすい!

 紅茶やウーロン茶などは、茶葉を発酵させている発酵食品。発酵食品は胃に長く留まり、胃粘膜を拡張させ、内臓の血流をよくする効果があると言われている。その中でも紅茶は発酵の度合いが高く、体を温める効果も高い。ホットミルクやシナモンなどを加えてアレンジすることで、飽きずに楽しめる点も魅力だ。

●ココア

ホットココアはマシュマロをのせて、アウトドアらしいドリンクに!

 ココアは、体を温める代表的な飲み物。ポリフェノールが豊富に含まれ、末梢血管を拡張させて、体温を上昇させる作用があるのが特徴だ。また、胃粘膜や内臓の血管を拡張し、内臓機能を活性化させるため、体の芯から温めるのに適している。

 ただし、ココアにもコーヒー同様カフェインが含まれているため、多量摂取は冷えの原因になる可能性がある。カフェイン含有量はコーヒーと比較すると少ないため、適量を守れば体を温める飲み物としておすすめだ。

●赤ワイン

ホットワイン(赤)もおすすめ

 赤ワインもココアと同じくポリフェノールを多く含み、アルコールの作用で末梢血管を拡張させる効果もあるため、体が温まりやすい。白ワインと比較すると、赤ワインのほうが製造過程でポリフェノールを多く含む皮を取り除かないため、ポリフェノール含有量が高い。しかし、飲み過ぎは末梢血管が長時間拡張し、体の熱が外気に奪われやすくなるため、深酒は禁物だ。

■体を温めるドリンクレシピを紹介

芳醇な香りが特徴のラム酒

 体を温める飲み物としておすすめなのが「バタード・ラム」。サトウキビからつくられた豊かな香りのラム酒を使ったレシピ。つくり方は非常に簡単で、少量の砂糖、またはハチミツをお湯で溶かし、ラムを好みの量入れて湯で割るだけ。最後にバターをひとかけら浮かべれば完成だ。アルコール度数は比較的高いため、一杯飲むだけで体の芯から温まる。

甘くて美味しいカクテル「バタード・ラム・カウ」

 また、割り湯の代わりにホットミルクで割れば「バタード・ラム・カウ」というカクテルとなり、さらに飲みやすくなる。糖質も多く含まれるため、疲れた体のエネルギー補給にもぴったりだ!

 もちろんアルコールが入っているため、飲み過ぎるとかえって体を冷やすことになるので要注意。バターもラムも、料理やデザートの風味づけにも使用でき、アウトドアに持って行っても邪魔にならないので、ぜひ試してみてほしい。

■体の芯から温める飲み物を上手に選ぼう

アウトドアでは温まる飲み物を取り入れてみて!

 寒い季節のアウトドアなど冷えを感じる環境では、飲み物選びが重要だ。体を冷やす飲み物としては、カフェインを多く含むものは注意したほうがよいだろう。一方で、発酵食品やポリフェノールを含んだ飲み物は、体を芯から温める効果がある。ただし、どのような飲み物であっても飲みすぎには気をつけよう。自分の体質や好みに合ったものを選び、寒い季節を快適に過ごしてほしい。

 

●【監修者】鬼沢正道(おにざわまさみち)

医師。1984年9月19日生、茨城県出身。2020年、東京、原宿に美容クリニック「アポロビューティークリニック」を開院。その後、美容医療をメインに様々なジャンルの医療を提供するとともに、現在の医療の情勢や新技術などを患者さん目線でわかりやすく発信する活動を継続中。