夏冬問わずアウトドアライフを楽しむ方にとって、海からの潮風や融雪剤による錆から愛車を守るのは大きな課題といえる。
この記事では豪雪地域で自動車整備士に従事し、述べ数百台の車の下廻りをチェックしてきた筆者が、錆やすい箇所と、どのような道具を使用し、どこをどう洗うのがベストなのか。自宅やレンタル洗車スペースでオーナー自らが実施できるような車の効果的な洗車方法をお伝えする。
■自動車に付着すると錆びてしまう「塩害」とは
降雪地域や気温が氷点下以下になる地域では、冬になると路面の凍結防止として、塩化カルシウムを主成分とする融雪剤が散布される。
融雪剤を含む水分は潮風に含まれる塩分同様、金属に付着すると「酸化=錆」を進行させる性質があり、その影響は自動車においても例外ではない。塩害とは塩分によるあらゆる被害の総称だが、この記事においては上記のような「自動車にもたらされる錆」として呼称する。
■自動車に付着すると特に錆が発生しやすい場所とは
自動車において、塩害の影響による錆が発生しやすい箇所は、サスペンションや走行に関わる部品などが集中する「下廻り」だ。塗料が吹き付けられているボディに比べ、下廻りは必要最低限の表面処理であることが多く、走行中常に融雪剤を含んだ水しぶきを浴び続けることが影響している。
特に車両リア側は車両が走行することで正面から受ける風圧「走行風」が当たらず、付着した水分が乾燥しづらいなどの理由から、フロント側に比べて圧倒的に錆が進行しやすい。
加えて、サスペンション周辺など複雑な構造になっている箇所や、パネル(鉄板)の端部は錆が進行しやすい傾向にある。