■登山道入り口から大明神展望台へ
2019年の台風の被害を受け、石老山ハイキングのメインコースである東海自然歩道は一部が通行止めとなった。復旧工事を終えて通行可能となったのは2022年7月のことで、その間は藤野地区からのみ石老山へ登山可能な状況が続いていた。
その状況を解消すべく2021年に使用されなくなっていた登山道を再整備し、道標やベンチを設置して石老山新ハイキングコースとして利用可能となった。
3年前に再整備されたため、道標などもかなりきれいで、急登にはロープも設置されている。丸太を組んだベンチは少々傷んでいる印象だったが、荷物を置く程度なら十分だ。
東海自然歩道と合流するまでは前述したようにロープ付きの急登があるなど、歯応えのある登りが続く印象だ。
広葉樹と植林が入り混じる山中は踏み跡もしっかりしついており、道迷いに繋がるような支尾根もない。分岐がある地点だけでなく、途中にも道標や登山道を示す掲示があるため、安心して歩けるだろう。
そして、東海自然歩道と合流する地点から尾根へ登り詰めると、大明神展望台へと辿り着く。展望台は開けており、眺めもよいので筆者イチオシの休憩ポイントだ。
■大明神展望台から石老山へ
大明神展望台から石老山への道中はアップダウンを繰り返し、小さなピークをいくつも通り過ぎていくことになる。
途中には、大明神展望台の名前のもとになったのだろう大明神の小さな祠が。展望はのぞめないないが、日差しが差し込み暖かい。ベンチがあるので展望台が込み合っている場合は、こちらで休憩しても気持ちよく過ごせそうだ。
祠のある地点を通過し、ピークをいくつも越えると次第にゴツゴツした岩が目立ちはじめ、奇石怪石で有名な石老山に近づいているのだと実感できる。
大明神展望台から石老山への登山道も新コースに劣らず整備されており、道標やベンチが定期的に見られた。しかし、展望台へ石老山側から歩くハイカーは少ないのか、落ち葉で埋まっている区域も少なくない。
山頂までは篠原方面への分岐のみで、しっかりした道標があるため、迷い込むことはないだろう。篠原方面への分岐を過ぎると、石老山山頂までは登りも緩やかになる。石老山山頂はベンチや東海自然歩道の看板、山名標識などがあり、日当たりのよい広場のような印象。昼食を食べるなど長めの休憩を取るのなら石老山山頂も、もちろんおすすめだ。