秋から冬にかけては気温の低下や日の入りの早さなどから、登山の回数が減ってしまうという方もいるのではないだろうか。
そんな方には冬の間は登山のための体力の維持はもちろん、山の雰囲気を楽しめる低山ハイキングをおすすめしたい。
今回の記事で紹介したいのはアクセスがよく、それでいて静かなハイキングを楽しめる堂所山(どうどころやま・733m)を目指すコースだ。
赤く色づく木々は見たいが、人気エリアの登山道渋滞には巻き込まれたくないという方にも歩いてもらいたいコースを紹介するので、ぜひ最後までご覧いただきたい。
■裏高尾から堂所山(どうどころやま)を目指す
まずは紹介するコースの全体像から説明する。
主に歩くことになるのは林道で、小下沢(こげさわ)林道という。小下沢林道は沢へ沿って北西へ延びており、終点で関場峠(せきばとうげ)へと合流する。
関場峠から堂所山へ向かう道は登山道となっており、林道の緩やかな登りから一転し、斜度が増す。西へ弧を描く軌道で南下すると、堂所山に到着だ。そして、同じコースをピストンして下山となる。
スタートとなる小下沢林道へは高尾駅から出ている小仏方面行きバスに乗り、日影バス停で下車すると林道へのアクセスが簡単だ。ちなみに筆者は街歩きもしたかったので、駅から徒歩で移動したが日影バス停までは1時間ほどだった。
コースタイムは日影バス停から堂所山へ約3時間。堂所山から日影バス停への下山では約2時間20分。合計約5時間20分の道のりだ。
登山のための利用者が殆どいないため、紅葉をゆっくりと楽しむことができるだろう。
■日影バス停から小下沢林道へ
ここからは筆者が実際にコースを歩いた様子をレポートしたい。
日影バス停から小下沢林道への道は道路を歩くことになるが、歩道がなく車の行き来もあるので通行の際は十分注意を。
中央線の高架下を通り、T字路を右へ。「木下沢梅林右折」と記された看板があるが、少し見づらいので見逃さないようにこちらも注意が必要だ。
道なりに進んで中央自動車道の下を通り抜け砂利道へ。砂利道の右側は梅林となっていて、さらに進む林道の起点に「林道木下沢線」という看板が現れる。
林道の空気はひんやりとしており、筆者が歩いたときは気温が10℃を上回ることはなかった。それは林道が谷間の沢沿いにあり、さらに頭上を木々の枝葉が覆っているからだろう。
歩いていると時折ぽっかりと頭上が開いて陽光が差し込み、見上げると色付き始めた木葉が輝いていた。
40分ほど林道を歩くと開けた場所に出る。「高尾の森作業小屋」があるこの広場は北側に北高尾山稜へ入る狐塚峠(きつねづかとうげ)への分岐、南側には景信山への分岐があり、山中の交差点となっている。この広場が小下沢林道の前半部の終点となる。
広々として気持ちの良い広場なので、ここで休憩するのもいいだろう。