■収入源の確保が気持ちを安定させてくれる

和歌山は梅やみかんなどの季節バイトでガッツリ稼ぐこともできます

 僕が移住した和歌山県の場合、みかんや梅を収穫する季節バイトがあり、稼ぐ気になれば短期でがっつり稼げます。

 1年を通して安定した収入がある生活をしたいのであれば、好きなことから収入を得る以外にも働き口を確保しておくと安心です。例えば、子どもが生まれる、農業を始めるから軽トラを買いたい、など出費が増えそうな時にすぐ稼げる状態でいることは必要だと思います。

 「安定収入のために安定した仕事に就く」と言うよりは、出費が増えそうな時にがっつり稼げる仕事を見つけておくという考え方です。

 たとえバイトでも、収入源が確保できる仕事があると生活は安定します。好きなことや将来的な事業に投資するためにも、しっかり稼げる場所があると気持ちも安定します。

さつまいも農家を始めてからも、バイト時代のツテが生きています

 僕も移住当初、梅の収穫バイトに毎年行っていました。平地で梅の収穫をする畑もあれば、山の斜面での収穫という体力仕事もありました。僕はもっぱら山の斜面担当でした。春先に梅の花が咲く時期に収穫準備をしていると、満開の梅の花越しの里の景色を見られたり、梅雨の雨の降る中で収穫をしたりと、自然の中で季節を感じられるバイトでした。収穫体験に来ている大学生や海外の若者との交流は、ジェネレーションギャップやカルチャーショックがたくさんありました。お土産に頂いた梅は、自家製の梅干しやシロップにして美味しく頂いていました。

 自分は3つ目の仕事として、現在はさつまいも農家を始めたのですが、梅農家さんにトラックや運送用の車を借りたりと、バイトをやめてからも当時の繋がりでいろいろとお世話になっています。

さつまいもの収穫時期は10月から年明けまで
さつまいも堀りを絡めたランニングイベントも企画しています

 自分の生業以外の仕事をする場合は、地域ならではのものを選んだり、自分と雰囲気の近い経営者のところで働くのはありでしょう。刺激を受けたり、その地域に住んでいる醍醐味を味わえると思います。

 ちなみに僕がバイトしていた梅農家さんに京都のお客さんを連れて来て、梅収穫体験とトレッキングを一緒に楽しめるツアーも開催しました。そのツアーがきっかけで、その梅農家さんとご結婚されて、京都から龍神村に移住された方もいます。

 田舎暮らしでの仕事は、単なる収入源ではなくて、お互いに助け合い、笑い合えるご縁づくりという面もあると思います。