■百舌鳥古墳群に属する中百舌鳥エリア
泉北高速線の起点は中百舌鳥駅。高野線の駅でもあり、地下鉄御堂筋線との乗換駅でもある。ただし難波発の泉北高速線3種別列車(特急・区間急行・準急行)の中で、中百舌鳥駅に停まるのは準急行だけ。各駅停車は中百舌鳥と和泉中央(一部光明池)の折り返しとなるのでご注意を。
高野線中百舌鳥駅としての開業は大正時代の1912年。110年以上の歴史がある。現在は幹線道路の通る新興住宅地になっているが、古くは西高野街道や竹内街道の通じる交通の要所。旧街道沿いには、いまも古民家などを見ることができる。
そして、中百舌鳥駅界隈の歴史を語るうえで見逃せないのが古墳だ。「中百舌鳥」という名前の通り、地域は世界遺産に登録されている百舌鳥古墳群のエリアに含まれるのだ。
駅から南西方向に約10分の位置にあるのが定の山古墳。
前方後円墳または帆立貝形古墳とされ、墳丘長約69mの小さな古墳だ。1960年代の区画整理工事で大きく変形してしまったが、現在は城の山公園として保存。墳丘に上ることも可能だ。
定の山古墳から片側4車線の広い道路を渡ると、築浅らしい戸建てがならぶ住宅街が広がる。その中を進めば、到着するのがニサンザイ古墳だ。
世界遺産に登録されている古墳の1つで、墳丘長約300mの前方後円墳。百舌鳥古墳群の中では3位の大きさで、全国規模でも7位。「もっとも美しい前方後円墳」ともいわれるほど、濠に囲まれた姿は優美でもある。
ただし、ニサンザイ古墳は百舌鳥古墳群の中でも少し離れたところに位置し、日本で最大の大山古墳(仁徳天皇陵古墳)ほか、大小の古墳が集中する大仙公園からは距離がある。より古墳を楽しみたいのであれば、中百舌鳥駅から高野線で難波方向へ2番目の三国ヶ丘駅で降りるのがおススメだ。
つづく