■景色だけならドライブがてら、車からでも楽しめるのも魅力です
実は登山しなくても、絶景を楽しめるスポットは道中何か所かあります。第2駐車場からは、諏訪湖や富士山こそ見えないものの、松本方面に開けた景色を楽しめますし、山々もかなりの数を見ることができます。
南側「高ボッチ牧場」の方へ少し下った「展望広場」にも駐車場が用意され、こちらからは諏訪湖と富士山を合わせた構図を眺めることが可能です。地元、諏訪や松本ナンバー以外にも東海や関西方面などから多くカメラマン、観光客が訪れていました。ここからも高ボッチ山への登山道が続いています。
さらに下った「高ボッチ牧場」がある第一駐車場もおすすめです。車から少し歩くと、眺めのいい展望スポット「見晴しの丘」があります。少し移動するだけで、山々と高原の織りなす景色の奥行きや色合いが変わるので、時間の許す限りいろいろめぐってみてください。
いずれにせよ、山道のグリーンロープからは出ないようにし、植生を踏み荒らさないようにしましょう。公衆トイレはすでに閉まっており、仮設トイレが用意されています。数はそれほどないので、余裕をもってご利用を。すでに道中は凍結してもおかしくないような気温です。スタッドレスタイヤの着用、もしくは滑り止めの携行が必要です。見通しが悪くすれ違いが困難な場所の方が多いので、スピードを抑えて対向車に配慮しながら慎重なドライブを。
■惜しかった! 夜明けのドラマ
高ボッチ高原の絶景の魅力は日中だけではありません。夕景、夜景、星景、朝焼けなど、マイカーで上がってこられるので狙いたい放題なのです。タイミングよく奇跡的なシャッターチャンスに出会えれば、SNS映えはもちろん、一生モノの思い出となる一枚が撮れるかもしれません。そのため、遠方からも多くのカメラマンたちが何度も訪れる場所です。
この日も夜が明ける前にすでに多くのカメラマンが集っており、お気に入りのスポットでカメラをスタンバイしていました。見渡して確認できる範囲だけで50人以上と、ものすごい人気っぷり! これだけ集まっているということは、やはり今日はチャンスだと期待が高まります。
濃いガスに覆われていましたが、周囲の木々や草原は霧氷となっています。日の出が近づくと、周囲が徐々に紅く染まっていきます。何度か期待させるような兆しに、グローブをしていても震える指先でカメラを操作します。しかし、肝心なものが見えそうで見えない……。背中に断続的に吹き付ける風の強弱を感じながら、ガスが抜けてくれることを必死に願いつつ、その瞬間を逃さないように身構えます。再び朧げな世界が紅く染まり……。そんなことを繰り返しているうちにすっかり夜が明けてしまいました。
ある程度条件を選んで撮影に来ましたが、こればっかりは時の運。次回に持ち越しです。冬季閉鎖まであと僅か。果たしてチャンスはあるのでしょうか……。もちろん、下から本気で登山すれば登ってこられるのですが、できれば避けたい(笑)