■猪名川不動尊から変化に富んだ登山道を歩く
猪名川不動尊にたどりつくと、土砂崩れで埋もれたまま放置されているようだった。そのため猪名川不動尊の大部分は立入禁止になっており、奥に滝がちらりと見える程度で拝観はできない。離れたところで手を合わせてから、登山道に入ることにした。
高岳登山口は猪名川不動尊入口の橋の手前にある。登山口を示す看板はないが、道標のテープがあるので迷うことはないだろう。
登山道に入ってからはしばらく沢沿いの道を歩く。ここでは何度か沢を渡る。橋はないので、慎重に渡ろう。沢を過ぎると次は急登だ。そしていくつか鉄塔、ザレ場(砂で滑りやすい場所)、ガレ場(石や岩が転がっていて歩きにくい場所)、再び急登を経て山頂にたどりつく。道もはっきりしているし、道標のテープも多いので迷う心配は少ない。
登山道が変化に富んでいるため、純粋に山歩きを楽しめるのが高岳の魅力だ。大阪50山の一座に選定されていることにも納得である。途中、眺望のよい場所がいくつかあるが、山頂には眺望がない。山頂のすぐ横に鉄塔があり、そこからの眺めは多少望める。鉄塔の下は高圧電線の「ジリジリ」という音が聞こえるものの、開けた場所なので休憩場所にはちょうどよい。
■眺望以外にも山の楽しみは多い
高岳は眺望を求めて登る山ではない。眺望のない山なんてストイックに感じるかもしれないが、修行の山なので仕方ないだろう。
それよりも登山に慣れてくると山頂からの絶景だけでなく、登頂までの過程にも楽しみを見つけられるようになってくる。高岳の場合、登山口から山頂までの間に、沢・ザレ場・ガレ場・急登といった変化のある登山道を歩けるため、楽しみも多いのだ。
登山に慣れてきた人は、こうした山にもぜひチャレンジしてほしい。