全国各地に存在する小規模な山脈や山域を表す親しみを込めた呼び名「ご当地アルプス」。主に標高が1,000m未満の里山を中心に、地域ぐるみで愛されている山が対象となることが多い。その数は50とも100とも言われている。
定義付けはないが、「長く充実した縦走路を歩くことができ、多彩なコース取りが可能である」、「冬季でも歩行可能で、季節を選ばない」、「アクセスが容易で、整備が行き届いている」ことなどがご当地アルプスの特徴として挙げられる。
今回紹介するのは「小野(おの)アルプス」。兵庫県小野市のご当地アルプスだ。小野市は、神戸市と姫路市の中間に位置しており、70%の全国シェアを誇る「そろばんの町」としても有名である。そんな小野市にある「日本一」の称号をもつアルプスをレポートしていく
■標高の低さ日本一!「小野アルプス」コースガイド
【市場駅から小野町山へ! 小野アルプス縦走コース】所要時間
市場駅 (0:00) → 高山(0:30) → 前山(1:00) →愛宕山 (1:10) → 安場山(1:25)→展望台(1:45)→総山 (2:15)→アンテナ山(2:40)→惣山(小野富士)(2:50)→紅山(3:20)→西紅山(3:30)→岩山(3:50)→南野山(4:10)→小野町駅(5:20)
歩行距離:約11.5km
累積標高差:登り 758m、下り 758m
合計所要時間:5時間20分
●登山口となるJR加古川線市場駅へのアクセス
JR加古川線(かこがわせん)市場駅は、三宮(さんのみや)・明石(あかし)方面から加古川駅経由でアクセスが可能だ。駅前から登山口までの経路沿いに、天然温泉「白雲谷温泉(はくうんだにおんせん)ゆぴか」があり、こちらの売店や自販機でドリンクなどを購入できる。
マイカーでアクセスする場合も、駅前に大きな無料駐車場が備わっているので、市場駅を目指すといい。山陽自動車道・三木小野(みきおの)ICから約3km、15分程度で到着だ。
■標高の低さ日本一!「小野アルプス」登山レポ
小野アルプスは、100mから200m程度の山が連なっており、最も高い惣山(そうざん)の標高は198.9m、最も低い高山(たかやま)の標高は127.1mだ。
小野アルプスの縦走コースは、駅までの舗装路を含めると11.5kmもの距離となり、踏破に要する時間は約5時間20分。
標高が低いので、頂上までは比較的あっさりと登れるが、一気に下り、また上るのアップダウンを繰り返すため、登り甲斐のあるアルプスだ。いくつかの山頂では、風光明媚な小野市の街並み、丘が連なったように見えるアルプスの風景を味わえる。