「山」と言っても山容はさまざまだ。険しい岩場を登り、辿り着くような山もあれば、丸みのある山もある。
今回は、筆者が訪れたことのある山で「山頂が広い!」と感じた山を紹介したい。
広大な頂上エリアでは見る角度によって違った景色を楽しめたり、スペースが広いため好きな場所でゆっくりとすることができる。
これまで低山からアルプスの山まで多くの山に登ってきた筆者だが、山頂に到着した時の驚きと広大な頂上の景色に圧倒されてしまうほどの山だ。
■蓼科山(たてしなやま・標高2,531m)
蓼科山は八ヶ岳連峰の北端に位置する標高2,531mの火山で、コニーデと呼ばれる台地状の火山に、円錐型のトロイデを重ねた複式火山だ。「トロイデ」とは釣鐘のような形をした火山のこと。諏訪から仰ぐと優美な円錐型に見えることから、諏訪富士と呼ばれることもある山だ。日本百名山、信州百名山、甲信越百名山などに選定されている。
蓼科山へは東西南北から登山道が延びているが、今回紹介するのは最短で行くことができる蓼科山七合目登山口から登るコースだ。
山頂までの距離は約2.2km、標高差624mを登る。所要時間は約2時間だが、ひたすら登りなので心肺に負担がかかる区間が長く、時間や距離以上に歩きがいを感じることができるはずだ。
途中、登山口から1時間30分ほどのところに蓼科山荘があるのでしっかりと休憩し、呼吸を整えてから山頂を目指したい。
山頂に近づくにつれ、ゴロゴロとした岩が多くなる。足の置き場は多いので不安なく歩くことができたが、大きく一歩を踏み出すような箇所もあるので慎重に。
山頂直下には蓼科山頂ヒュッテがあり、ヒュッテから山頂までは5分もかからずに到着できる。
山頂エリアは広大で、正確な面積は不明だが、サッカーコート2面分はすっぽりと収まってしまいそうなほどだ。
山頂の中央付近には蓼科神社の鳥居と祠がある。神社からみて一番高い位置に山頂の標識があるが、山頂からは360度パノラマが広がっているので、景色を楽しみながら山頂を探してもいいだろう。
晴れた日には八ヶ岳、南アルプスを一望することができ、北アルプスや中央アルプスも確認できる。外周をグルッと一周すると思ったより時間がかかるので気をつけたい。
【蓼科山七合目登山口からピストンコース】所要時間
蓼科山七合目登山口 (1:30) →蓼科山荘 (0:25) → 蓼科山頂ヒュッテ (0:05) → 蓼科山 (0:05) → 蓼科山頂ヒュッテ(0:20)→ 蓼科山荘 (1:00)蓼科山七合目登山口
歩行距離:約4.5km
累積標高差:登り625m 下り 625m
合計所要時間:3時間25分