長野県と山梨県にまたがり、南北30kmに渡って2,000m級の峰が連なる八ヶ岳は、夏沢峠を境に北が北八ヶ岳、南側が南八ヶ岳と呼ばれている。
南八ヶ岳の一峰である硫黄岳(いおうだけ・標高2,760m)は、爆裂火口が見られることで有名で、広々とした山頂からは360度の展望が楽しめる。
硫黄岳は標高こそ高いものの登山道がしっかり整備されており、途中の山小屋を利用して1泊2日で日程を組めば、1日目は1時間20分、2日目は3時間10分の山行時間となり、初心者でもテント泊に挑戦しやすい。
今回は、去年筆者が訪れた時の様子と合わせて、硫黄岳を目指す1泊2日の登山の魅力を紹介しよう。
■桜平からオーレン小屋へ
硫黄岳を目指す登山口はいくつかあるが、ここでは桜平登山口からスタートするコースを紹介する。桜平は中央自動車道・茅野ICから1時間程度の場所にあり、約150台分の無料駐車場が利用できる。ここでしっかり準備を整え、登山へ挑もう。
<登山ルート>
・1日目(1時間20分)
桜平→(30分)→夏沢鉱泉→(50分)→オーレン小屋
・2日目(3時間5分)
オーレン小屋→(20分)→夏沢峠→(1時間)→硫黄岳→(40分)→夏沢峠→(15分)→オーレン小屋→(30分)→夏沢鉱泉→(20分)→桜平
桜平からは緩やかな傾斜の塗装された道が続く。ここからはまず、夏沢鉱泉を目指そう。夏沢鉱泉までは30分。苔むした森や小川の景色を楽しみながら、ウォーミングアップがてら自分のペースでしっかり歩こう。
夏沢鉱泉にはトイレと水場があるので、必要であれば利用させてもらおう。ここからは少し傾斜が急になるので、休憩していくのも良いだろう。
夏沢鉱泉からオーレン小屋へは本格的な登山道を50分ほど歩く。森の中や川沿いの道を進み、途中いくつか急坂を乗り越えなければならないので、焦らずゆっくり自分のペースで休憩を挟みながら確実に進もう。
硫黄岳の山頂が見えるようになってきたらオーレン小屋に辿り着く。山小屋泊、あるいはテント泊と自分の好きなスタイルで宿泊しよう。
登山口から1時間20分ほどで辿り着くので、テント泊デビューやテント泊初心者におすすめだ。
筆者は夫と友人らと久しぶりのテント泊の足慣らしとして登山に挑んだが、ちょうど良い距離感で登りやすかった。
オーレン小屋に着いたら、受付を済ませてテントを設営。のんびりご飯を食べたり夕焼けを眺めながら、翌日の山頂アタックに向けてしっかり体を休めよう。