楽園のような高層湿原が広がり、どの季節でも鮮やかに彩られる尾瀬の風景。秋の紅葉スポットとしても、一度は行ってみたいと思う場所ではないだろうか。

 草紅葉(くさもみじ)が秋の到来を告げると、燃えるような尾瀬の絶景を楽しむことができる。感動の秋の尾瀬の歩き方をご紹介する。

■尾瀬の玄関口「鳩待峠」から「山ノ鼻」へ

 尾瀬といえば、まず思い浮かぶのが、木道が遥かに続く「尾瀬ヶ原」の風景。その尾瀬ヶ原へ向かう多くの人々の玄関口となっているのが「鳩待峠(はとまちとうげ)」だ。

 鳩待峠休憩所では、自販機や売店、トイレなどが利用できる。この先は本格的な登山道となるので、必要な準備はここで整えよう。まずはここからビジターセンターなどがある「山ノ鼻(やまのはな)」を目指す。

尾瀬に向かう人々を出迎える鳩待峠休憩所

 すぐに石畳の階段の急な下りから始まるので、足を滑らせたりしないよう注意して進もう。

 途中、登山道ではブナなどの広葉樹が多く、赤や黄色に色づいた木々のトンネルが楽しませてくれる。写真を撮ったりしているとなかなか前に進めないが、「川上川」の札が目印の橋まで来れば、山ノ鼻はもうすぐだ。

 鳩待峠から1時間ほどで山小屋やビジターセンターなどがあり、多くの人で賑わう山ノ鼻に到着したら、荷物を置いて少し寄り道をしていこう。売店や無料休憩所を利用したり、ビジターセンターで尾瀬に関する様々な展示を見るのも楽しい。

■いざ草紅葉で燃えるような尾瀬ヶ原へ

この日は午前中に雪が降り尾瀬ヶ原に少し残っていた

 尾瀬ヶ原を歩き始めると、前方に尾瀬を代表する名峰「燧ヶ岳(ひうちがたけ)」が見える。この日は午前中に雪が降り、少し雲がかかってしまっていた。

 燧ヶ岳を目の前にしばらく木道を進んだところで、今度は後ろを振り返ってみよう。尾瀬の名峰のもう一座「至仏山(しぶつさん)」を望むことができる。前後で見える景色が異なるので、尾瀬の木道歩きは忙しい。

振り返れば至仏山