■いきなりの渡渉からスタート
まず、アコウ平の駐車場(約5台ほど駐車可能。トイレ、水道なし)からは沢に向かって30分ほど下っていきます。
水量次第ですが、沢の出合いではいきなり渡渉が必要です。足をつけるだけで、真夏でも頭がキーンとなるほどの冷たい水の洗礼を受けたら、ここからいよいよ御嶽道のスタートです。
渡渉後は、針葉樹の美しい森の中を縫うように、トレイルはゆるゆると延びていきます。もう、このあたりを散策するだけでも満足できてしまうほど、気持ちのいい道です。
しばらく緩い森歩きが続きますが、水場にもなっている小屋跡を合図に本格的な登りが始まります。シャクナゲと岩の尾根を登っていくのですが(6月頃にはきっとたくさんの花を見ながら登れるのでしょう)、斜度はなかなかのものです。
時折視界が開けて周りの山々が姿を見せ、振り返ると富士山がずっとこちらを見守ってくれています。スリルのある大きな岩や鎖場が現れたり、山頂の目印となる五丈岩が徐々に大きくなってきたりと、飽きることなく登り続けられる変化に富んだルートです。
■抜群の展望の中を登る贅沢なルート
徐々にあたりの岩っぽさが増し、背が低くなってきた木々のトンネルを抜ける頃には、見上げた先にも青空が広がって景色はさらに良くなります。稜線上も森が多く、山頂でも岩場周辺でないと展望のない場所が多い奥秩父では、これほど展望が良い中を登り続ける贅沢なルートは他にあまりないでしょう。
そして登り着く先は、金峰山のシンボルである五丈岩の真裏。見慣れた五丈岩も、裏から見るとまったく別物に見えます。表に出るとそこはいつもの景色で、この日もたくさんの登山者で賑わっていましたが、駐車場から山頂までの道中、我々が会ったのは釣り人1人のみでした。
シーズン中は大弛峠の駐車場がよく混雑しますが、そんな時はこちらのルートに切り替えるのも選択肢かもしれません。