都内から日帰りで登れる、奥秩父の「笠取山」。百名山にも二百名山にも選ばれていませんが、多摩川、荒川、富士川の始まりの一滴が湧き出る分水嶺の山として、非常に人気を集めているハイキングスポットです。

 標高は1,953mと、真夏よりも今が登りやすい気候になるので、紅葉時期までの週末ともなれば混雑は必至。しかし、じつはメインルートではない方向からアプローチすると、驚くほど静かな山歩きを楽しむことができちゃうんです。

■将監峠経由の裏口ルートから山頂へ

裏口ルートの入口はこちら

 笠取山に登る一般的な選択肢は、山頂の南側に位置する「作場平」を起点にした往復5時間ほどのルート。ここから登れば登山道は歩きやすく、危険箇所も少ないため、登山初級者の方でも安心して楽しめます。

静かな夜が過ごせる将監峠に一泊する計画

 対して、今回紹介するのは、作場平の東側にある「将監峠入口」を起点にした周回ルートです。ルートタイムはかなり長めになり、将監峠から笠取山までの稜線は少々ワイルドな登山道なので、レベルとしては中上級者向け。しかし、その分、山頂まではとても静かな山歩きが楽しめる極上のルートなのです。

 健脚な方なら日帰りで歩くことも可能ですが、ここでは静かな将監峠に一泊してのんびりと山の時間にひたる山行計画を紹介します。