■7月初めの早咲きの花畑

キタダケソウ群落から見える間ノ岳(撮影:鶴岡 亜矢子)

 北岳は花が美しい山としても有名だが、キタダケソウはダントツに早く咲いて散ってしまうため、他の花々はまだこれからといった感じだ。花の色も白が多く、これから段々とピンク、紫と増えていく。

 北岳山荘から間ノ岳へ向かう途中の中白根山(なかしらねさん)の花畑が見事だった。

中白根山の花畑(撮影:鶴岡 亜矢子)

 ピンクの花は「タカネシオガマ」だった。背が低く、明るいピンクの色が目をひく。ずっと見ていたい風景だが、晴れる時間は短く、とても寒かった。

 このような苦労の末に美しいキタダケソウに会うという「アメとムチ?」に筆者はすっかりハマってしまい、なんと3年連続でキタダケソウを見に出かけた。

 キタダケソウが見られる時期は、雪が多い年と少ない年で状況は変わってくるから、多い年は前爪のついたアイゼンを用意し、雨や寒さに対応できるよう、下着やアンダーウェア、靴下や手袋は予備を持参しよう。

 また、北岳へは広河原までバスで行く必要がある。南アルプス市観光協会が掲載するバス時刻表を参考に事前にバスの時間を考慮して、出来れば余裕のある日程でキタダケソウを見に行って欲しい。

 山頂付近のキタダケソウ群落に、一目ぼれすること間違いなしだ。

梅雨明け前の北岳を見に行こう(撮影:鶴岡 亜矢子)

●行程と参考タイムスケジュール
1日目:広河原登山口(6:20)⇒白根御池小屋(8:00)⇒肩ノ小屋(12:00 ※昼食にて13:00出発)⇒北岳山頂(14:00)⇒北岳山荘(15:00 ※小屋泊)
2日目:北岳山荘(7:00)⇒北岳(8:00※小休止)⇒肩ノ小屋(9:30)⇒白根御池小屋(11:30 ※昼食にて12:30出発)⇒広河原登山口(13:30)

●【MAP】北岳