■雲海が素晴らしい

冷え切った体を山頂へ向けてもう一度動いて温めていく。避難小屋は雪に覆われていた。一旦下って登り返すのだが、太陽の光を浴びながらの急登なのですぐ暑くなる。稜線へ出ると奥に真っ白な越後三山が見えた。これは山頂へ行かないと見られない景色である。
巻機山は山頂標識がなく、「なんとなくこの辺りかな」と思ったところに鉄の杭が1本あった。ここで登頂を喜び、夏と違ってどこでも歩けてしまう広い山頂を思い思いに散歩して楽しむ。もこもこの雲海と雪山には境目がなく、燧ヶ岳や武尊山など見渡す山々をどこまでも歩いていけそうな気がしてしまう。
上越国境稜線は惚れ惚れする優美な景色で、そこに日が高くなってもずっと滝雲が流れるとんでもない絶景を見ることができたのだ。少し稜線を先へと進んでみるとスノーモンスターがまだ残っており、やはり新潟地方の雪山はひと味違う! 雪深さを実感し、なかなか晴れない厳冬期にラッキーな一日だったと思う。