海外のSNS発信から世界中で人気急上昇した「バンライフ」(車で寝泊まりし、旅をするスタイル)。キャンピングカーやDIYしたバン、乗用車などスタイルはさまざまだ。
筆者も夫婦でキャンピングカーで暮らしながら、現在ヨーロッパを周遊中だ。移動しながら旅をし、好きな場所で寝泊まりする自由で楽しいイメージがあるが、実際キャンピングカー旅は危険も潜んでいる。
特にヨーロッパには「治安が悪い国」がいくつかあり、車中泊となると更に危険ではないか、と心配されることも多い。
今回は、筆者が実際にヨーロッパを365日間キャンピングカーで旅して感じた恐怖や不安、リアルな海外車中泊での治安問題と実施している防犯対策、気をつけるポイントを紹介する。
日本は、犯罪率や治安が悪い国と比べ比較的安全と言われているが、車中泊用の車は生活用品やアウトドア用品など高価なものを積んでいるため、車上荒らしのターゲットにもされやすい。
日本だから安心、と気を抜かず車中泊の際も常に警戒心を持って用心しよう。
■ヨーロッパ治安の実態は? キャンピングカーは狙われやすい?
ヨーロッパは歴史的建造物の残る美しい街並みや魅力的な都市で溢れており、多くの人が憧れる旅行先の一つ。しかし、その美しい街並みの裏側では凶悪な犯罪やスリなども多く発生している。
もちろん、ヨーロッパ全体の治安が悪いというわけではなく、観光客で賑わう大都市のパリやローマなどでスリや盗難被害件数が多く、危険と言われている。更に日本人観光客は日本が治安がよいため、警戒心も薄く「金持ちで警戒心がない」と見られてしまい、ターゲットにされやすいので特に注意が必要だ。では、キャンピングカー旅ではどうだろうか?
キャンピングカーやバンコンなど車中泊を前提とした車は「旅行中」と認識されやすく、車内に生活用品や家電、カメラなど高価な物を積んでいると思われ、一般乗用車よりも車上荒らしのターゲットにされやすい。
実際に筆者も車内にパスポートなどの身分証明書や生活用品、仕事に使うパソコンなどの貴重品があるので、車上荒らしに遭って全て持っていかれたらと思うとゾッとする!
■キャンピングカー旅をして感じた不安や恐怖
筆者がキャンピングカー旅を開始して1年。幸い今まで盗難などの被害からは免れているが、何度か恐怖を感じる場面に遭遇している。
イタリアの小さな田舎街の駐車場での出来事。公園の横にある広めの公共駐車場で、キャンピングカー専用スペースもあり、人通りはあまりないが防犯カメラも付いていたので安全に感じていた。
お昼前に到着し、2〜3時間程車内でパソコンワークをしていた時、車内の窓から駐車場を何度か行ったり来たりするフードを被った男性に気がついた。最初は「散歩かな?」とも思ったが、再び現れ今度はキャンピングカーの真横のドア付近に近づいてきたのだ!
びっくりし、咄嗟に中に人が居ると気づかせるために旦那と大きな声で話し始めたところ、不審者は急に方向を変え、駐車場から離れていった。窓の外からは車内の様子が見えないので中に人が居ないと思われ、何かしようとしていたのかもしれない。
さすがに怖いので、急いでその場から移動することにした。このようにキャンピングカー旅ではいつ何が起きるかわからないので常に警戒し、ちょっとでもおかしいなと感じたら場所を変えるようにしている。
キャンピングカーと言っても「車」で寝ているので、外との距離が近い分ちょっとした音にも敏感になり不安になってしまう。特に駐車場で寝ている時は人の往来が多いため、夜中に車の隣で足音がして「誰か入ろうとしている?」と聞き耳を立て警戒しながら眠りにつくことも何度か経験している。
また「女性しかいないのか?」と思われないために、暗くなってからは絶対に車の外に出ないようにし、なるべく夫と一緒に外出するようにしている。
他のキャンピングカー仲間から盗難被害に遭った体験談を多く聞かされるので、やはり常に警戒し防犯対策などもして気をつけるようにしなくてはならない。