自由で非日常的なアウトドアライフが楽しめるが、フルタイムの生活を車の中でおくるとなると実際はどうだろうか。「車で生活するってどうなの?」「車内で何して過ごすの?」「仕事は?」と、疑問や興味を持つ人も多いと思う。

 今回は欧州でキャンピングカーに暮らしながら365日「フル車中泊生活」をおくっている夫婦の一歩も外に出ない、リモートワークしながら車内で過ごす、ごく普通の1日のルーティンを紹介する。

■365日車中泊生活ではルーティン作りが大変

 筆者は夫と2人でキャンピングカーで暮らしながら現在ヨーロッパを周遊中で、もうすぐ1年が経とうとしている。ただし、車で暮らしながら旅はしているが、毎日が観光ではなく、ちゃんと仕事もしなくてはならない。

 同じフルタイム車中泊者から良く聞くのが「仕事と旅の両立が難しい。ルーティンを作るのが大変」という悩みだ。車中泊では常に移動し、いつも違う環境にいるため、スケジュール通りにいかないことも多い。365日フルタイムで車生活をしてみて分かったのが、ルーティン作りがとても大事ということだ。仕事と旅をしっかり分け、仕事の日はがっつり仕事をし、休日はゆったり車中泊旅を楽しむ。仕事と旅の良いバランスを取ることで長く、充実した車中泊ライフを過ごせる。

■朝のルーティン

朝食は洗い物をあまり出さない簡単な物で済ませている(撮影:Dois de Nós)

⚫︎7:30  起床・朝食

 1月現在ヨーロッパは冬で、日の出時間が8:30頃ととても遅いのだ。朝起きたとき外が暗いとあまりやる気がしないが、車中泊生活では日照時間を有効に使うためにもなるべく早寝早起きを意識している。

 就寝時は「家」のシステムを全てオフにしているので、ガスの元栓を開けて、電気、水道ポンプのスイッチをオンにしてから朝がスタートする。車内にトイレ・洗面台があるので外に出る必要もなく、洗顔や歯磨きなどの朝の身支度が済ませられるからラクチンだ。

 朝食はなるべくガスを使わず、洗い物を出さないメニューということでフルーツとグラノーラでパパッと簡単なもので済ますようにしている。

⚫︎8:30  掃除・朝食の片付け

水はタンクにあるだけなので、常に節水を心がけている(撮影:Dois de Nós)

 朝食が終わったら食器洗いを済ませて、車内の軽い掃除をしている。外からのホコリや砂、葉っぱなどが車内に入りがちなので床の掃除機がけと水拭きをし、窓を開けて空気の入れ替えをして気持ちよく1日がスタートできるようにしている。