気温が下がってくると虫たちは姿を消し、キャンプに適した時期となる。また、場所を選べば登山をするにも快適な季節とも言える。
百名山にも選定されている「瑞牆山(みずがきやま)」は、麓の登山口にいくつかのキャンプ場があり、そこから登山口へのアプローチも容易だ。
今回はそんな瑞牆山を「見て・登って」楽しむ。そんなぜいたくなプランを紹介しよう。
■登山口にあるキャンプ場「みずがき山自然公園」
瑞牆山の登山口に隣接する「みずがき山自然公園」は秩父多摩甲斐国立公園の特別地域に位置し、カラマツを主体とした人工林が35%、シガ、シラカバ、ミズナラなどの天然林が65%を占めている。公園全体が遊歩道になっており、静かな樹林帯歩きを楽しめる。
そんな公園の一角にはキャンプサイトもある。キャンプ場利用者は瑞牆山への登山者だけでなく、ツーリングに来ているバイカーなども多く、周辺にはクライミングスポットも数多くあることから、クライマーにも人気となっている。
みずがき山自然公園のキャンプサイトからは、瑞牆山を「見て」楽しめる。夕暮れ時ともなれば、夕日が瑞牆山を赤く染め、日が沈むまでの絶景をゆっくりと堪能できる。
■みずがき山自然公園から富士見平小屋を経由で「瑞牆山」山頂へ
瑞牆山を「見て」楽しんだ翌日は「登って」楽しむ。瑞牆山登山の行動時間はだいたい6〜7時間ほど。前日にキャンプをすることで、移動にかかる時間や労力を軽減できるため、日が短くなる時期は前泊がおすすめだ。
みずがき山自然公園から、静かな樹林帯の中を歩いていく。公園内の遊歩道からは富士見平小屋へだけではなく、カンマンボロンへと続く登山道もある。なお、カンマンボロンの登山道からは富士見平小屋へは行けないので要注意。しっかり地図を確認しながら歩こう。
「カンマンボロン」とは、「大日如来・不動明王」の意味。瑞牆山中の岩峰の中に大きな洞窟があり、そこに「梵字」が刻まれており、それが「カンマンボロン」と読むと言われている。
富士見平小屋までは1時間30分ほどで到着する。富士見平小屋の近くには「平成の名水百選」にも認定された水場があり、おすすめだ。
小屋の周りにはベンチやテーブルが設置され、休憩をとるのにぴったり。富士見平小屋から山頂までは勾配も急になるため、一息入れてから山頂に向かうことをおすすめする。