■「桃太郎岩」「大ヤスリ岩」を越えて山頂へ

 富士見平小屋を過ぎると本格的な登りが始まる。急な登りだが、山頂までの道中は迫力のある大きな岩が楽しませてくれる。

 まず現れるのが「桃太郎岩」だ。直径10mはあるであろう大きな岩が真っ二つに割れ、岩の大きさに圧倒される。

桃が割れたようにも見えるが、名前の確かな由来はわからなかった

 桃太郎岩の横に設置されている階段を登ると、大きな岩が続く登山道となり急登となる。鎖場もあるので、足の置き場に注意しつつゆっくり進もう。

 桃太郎岩から45分ほどで次の大岩、「大ヤスリ岩」が現れる。桃太郎岩とはまた違う迫力で、高さは30mもある。大ヤスリ岩はクライミングもできるそうだが、筆者が登った時は平日だったこともあり、クライマーはいなかった。

真下から見た大ヤスリ岩

 大ヤスリ岩までくると山頂まではあと30分ほど。山頂までの道のりもゴロゴロとした岩が続き、大きく一歩を踏み出す場所も多いため体力を消耗する。急ぎたい気持ちを抑え、一歩ずつ着実に歩を進めよう。

 登山口からおよそ3時間で瑞牆山の山頂に立つことができた。山頂は「鋸岩(のこぎりいわ)」という岩の頂上にあり、景色は絶景。しかし、切り立った岩の上に立っているためスリルも感じる。

瑞牆山山頂の標識。山頂からは360度パノラマが広がる

 瑞牆山山頂からは、同じ秩父山塊に属する金峰山や国師ヶ岳、南アルプスや八ヶ岳、富士山の景色が見られる。山頂のスペースは広くないので混み合う時には譲り合いが必要だが、時間の許す限り山頂での景色を満喫しよう。

瑞牆山山頂の標識と、遠くにうっすらと見えた富士山

■下山は不動滝からみずがき自然公園へ

 帰りは黒森コースから「不動滝」を経て、自然公園の遊歩道を通って下山する。

 瑞牆山山頂から1時間ほど下ると、大きな一枚岩を流れる不動滝があり、水量は多くはないが静かに流れる滝を楽しめる。

滑るように流れ落ちる「不動滝」

 不動滝を過ぎると急だった傾斜は徐々に緩やかになり、整備の行き届いた歩きやすい登山道になる。

 不動滝から1時間10分ほど、山頂からは2時間30分ほどでみずがき自然公園公園まで下山してくることができた。

 日帰りでも行ける瑞牆山だが、あえてキャンプしてゆっくりと瑞牆山を堪能してみてはどうだろうか。

●瑞牆山

住所:〒408-0101 山梨県北杜市須玉町小尾

●みずがき山自然公園

住所:〒408-0101 山梨県北杜市須玉町小尾8862-1
電話:0551-45-0277

URL:https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/life/maps/list/446/