■その3. 山梨県三ッ峠のかよわき乙女サル

 ある年の11月上旬、三ッ峠山に登った。山頂で富士山を満喫し、河口湖へ向かうトラバースの曲がり道でサルがこちらを見ていることに気づいた。1匹なのか、群れなのかわからない。チラチラと見ては隠れている。

 人見知りなのだろうか、堂々と歩いてくる気配はないが立ち去る気配もない。怖がりな筆者はサルの目前で立ち止まってしまった。

 10分くらいお見合いが続いただろうか。後ろから4人の登山者が来たので状況を説明すると、様子を見てくださり、そのときにはサルはもういなかったようだ。

 曲がり道を進み見上げると、頭上の茂みの間からさっきのサルがそっと覗いているのが見えた。お互いに怖がっていたのかと思うと、いつもの向かってくるサルとは違い、なんて可愛いおサルさんなんだろうと思った。

三ツ峠からの富士山。この尾根を下りていく途中でサルに遭遇した

■その4. 山形県朝日岳近くの山のぺろぺろヘビ

山形県置賜さくら回廊の今は枯れてしまった古木「釜の越桜」

 ある年のゴールデンウィークに、山形県「置賜(おきたま)さくら回廊」の桜と山々の残雪を見るため、山形県の宿泊施設「Asahi自然観」に泊まり、近くの山に出かけた。

 雪解けに咲く小さな花を探して撮影していたところ、丈の低い淡いピンクの「イワウチワ」を見つけた。うつ伏せに寝転んで撮影するのだが、うまくいかない。試行錯誤していると急に右手の人差し指に冷たさを感じた。見ると、大きな茶色のヘビが筆者の指を舐めているではないか。もちろん腰を抜かして大声を出した。

 驚いている筆者をよそに、ヘビはゆっくりと地面を這ってどこかへ行ってしまった。

丈の低い淡いピンクの「イワウチワ」。ヘビに指を舐められながら撮った一枚