日本一の紅葉といわれている涸沢カール。岐阜県と長野県にまたがる北アルプス穂高連峰の中腹(長野県側)、標高2,300mに位置する登山の起点場所だ。上高地からの道のりは標高差が800mの緩やかな登りで、6時間程要するため、バックパックを背負ってこれらの行程を歩ける体力が必要だが、整備された道が多く、比較的登山初心者にもアクセスしやすい場所といえる。

 筆者は2022年10月8日(土)〜 9日(日)に涸沢カールを訪れた。その日はまさに紅葉フェスティバルの真っ只中。多くの人々が思い思いの美しい紅葉を楽しんでいた。

■紅葉の見頃はいつ頃?

涸沢カールからの眺望。正面の尖った山が涸沢槍、右上が「北穂高岳」方面、左上が「奥穂高岳」方面(撮影:田口 空)

 涸沢カールの紅葉は例年なら9月中旬に色づき始め、見頃を迎えるのが9月下旬から10月上旬にかけてである。紅葉の色づき具合には、夏の高温、長い日照時間、昼夜の寒暖差、十分な降雨量が影響するといわれている。近年は10月上旬に見頃を迎える傾向がみられ、筆者が訪れた2022年の10月8日〜9日も、すでに紅葉がピークを迎えていた。

ナナカマドの赤い実(撮影:田口 空)

 鮮やかなダケカンバの黄色、ナナカマドの赤、ハイマツの緑など多彩なハーモニーを見るとテンションが最高潮に高まる。2022年はナナカマドの赤い実が例年より大きかったらしい。見頃の最新情報は山小屋などで随時チェックすることをおすすめする。