■最盛期の涸沢カールで注意したいこと
●できるだけ早めの到着を
最盛期のテント場は争奪戦になる。テント場は石や岩が多く、小屋から近いフラットなサイトから順に埋まってしまう。また、テントの下に敷く有料のコンパネ(木の板)もあるが、数に限りがある。筆者がテント場に到着したのはお昼前。幸いまだテント場には多くの空きスペースが残っていたが、コンパネの在庫はゼロだった。できるだけ早い時間帯に涸沢カールに到着することをおすすめする。
翌日、筆者は朝8時過ぎに涸沢カールから上高地バスセンターに向けて出発したが、登山道は大混雑しておりなかなか前進できず、登山口の横尾まで多くの時間がかかった。帰りは、もう少し早い時間の出発をおすすめする。
●トイレは大混雑するので、早めの行動を
最盛期の朝と夕はトイレも行列になることがあるので、早めの行動を心掛けることをおすすめする。携帯トイレを持参しておくと便利。
●徹底的な防寒対策を
涸沢カールは標高2,300mに位置するため、夜になると急激に気温が下がる。筆者はテント内で早朝5時の気温を計測したところ4℃だった。特にテント泊の場合は、フリースやダウンなどを使用して寒さから身を守るための防寒対策が必要だ。熱源としてカイロを背中や足裏に貼っておくのも有用な手段だ。
涸沢カールで素晴らしい山岳紅葉を楽しむことができるが、最盛期はかなりの混雑が予想される。しっかりと計画をたてて、心に残る素晴らしい山行を楽しんで欲しい。
※北アルプス・涸沢カールにある山小屋・涸沢小屋と涸沢ヒュッテでは、水不足が続いており節水を呼び掛けております。各登山者は十分な水を持参するよう注意願います。