秋といえば紅葉! 期間限定で色鮮やかに染まる山のなかを歩くのは、登山の醍醐味のひとつ。貴重な紅葉シーズンを最大限に満喫するために、山登りとその麓にある渓谷を見る、または遊歩道を歩いてセットで紅葉を楽しめる欲張りプランを紹介しよう。
■宝登山(埼玉県)日帰り・標高497m
歩行時間:2時間40分 技術:★☆☆☆☆ 体力:★☆☆☆☆
【ここがおすすめ】
1. 首都圏から交通アクセスが抜群
2. 麓に商店街があり観光も◎
3. 標高約500mのお手軽ハイキング
●概要
秩父にある長瀞渓谷は、エメラルドグリーンの川本河岸にせり出した石畳が「映えスポット」として有名な景勝地だ。首都圏から近く、公共交通機関でのアクセスも整っているため、多くの観光客が訪れる。その長瀞渓谷を見守るようにして佇むのが宝登山だ。
標高497mの宝登山は、東西に連なる「長瀞アルプス」の一座。山麓にはパワースポットとして注目を集める宝登山神社があり、山腹には宝登山神社奥の院がある。
麓から山頂部までロープウェイが架かるのも魅力の一つ。山頂付近の景観を楽しもうと、一年を通じて多くの人が訪れている。
●ルート&見どころ
宝登山トレッキングのスタート地点は秩父鉄道長瀞駅から一駅隣の野上駅だ。民家を抜け、路上に立つ「長瀞アルプス」の看板を目印に万福寺の辺りを左へ折れると、静かな谷沿いの参道になる。緩やかな登山道の両脇に大きなシダが生い茂り、自然林と人工林で整備された美しい景色が広がる。
ここから先は天狗山分岐、野上峠、奈良沢峠と続く道はアップダウンの少ない緩やかな尾根沿い。落ち葉の絨毯が敷き詰められた美しい雑木林のなかを右手に進んでいく。左側には長瀞市街が見下ろせ、心地のいい登山道が続く。
奈良沢峠を少し過ぎたところで、宝登山山頂への分岐となる。山頂まで距離およそ600mの道のりだが、ひたすらに階段を上る急勾配。黙々と登って行った先に最後は石の登山道が現れ山頂へ。
山頂からは武甲山や秩父市街が見通せて、天気が良ければ日本百名山に数えられる両神山や甲武信ヶ岳も眺められる。
帰路は宝登山ロープウェイを使って長瀞の町へ下りよう。約5分の空中散歩では色付いた木々に囲まれた絶景の空中散歩が楽しめる。
●紅葉ガイド
登山道や山頂は紅葉したモミジ、クヌギ、ナラの木が美しい。整備された峠道の両脇に立ち並ぶ木々が陽の光に照らされて輝く姿を見ながら歩けば、心地よいトレッキングになる。その景色の向こう側には街並みが見え、低山ハイクの醍醐味を十分に感じられるはずだ。
宝登山神社も紅葉スポットとして名高い。例年11月には、境内の紅葉がライトアップされる。