2023年の夏休みは全国的に猛暑続き。海でも山でも歩いているだけで汗が吹き出すような日が続いた。残暑も猛暑が予想されるため、涼しい場所に行きたいところ。そんな時におすすめなのが、採掘跡や洞窟といったスポット。

 今回、ご紹介するのは栃木県宇都宮市にある大谷石(おおやいし)の採掘跡を見学できる「大谷資料館」だ。場内は一年を通して一定の温度で涼しく、地下に広がる大空間は厳粛な空気が漂う。

 地下神殿? ダンジョン? 子どもたちにはマイクラの世界に映るかも。そんな非日常空間に冒険気分で踏み込んでみてはどうだろうか。

■大谷石の採掘現場跡を見学できるスポット

大谷資料館入口にある採掘跡は迫力がある(撮影:田奈 真知)
地下から見ると外の光りがまぶしい(撮影:田奈 真知)

 大谷資料館は、栃木県宇都宮市大谷町にある大谷石採掘の歴史を学べるスポットだ。大谷石は柔らかく加工がし易い特性を利用して、古くから土蔵や外壁などの建材に使われてきた。

 その独特な風合いに惚れ込み、名建築家であるフランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテル本館に使用した逸話も残されている。

 大谷石資料館では、1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)まで、 大谷石が採掘された巨大な採掘場跡を見学できる。その広さは2万平方メートル、なんと野球場が1つ入ってしまうほど広大だ。

■1Fは展示室、地下には大空間が

 1Fで受付を済ませると、最初に展示室がある。大谷石を採掘するときの道具などが展示されており、採掘当時の様子を学ぶことができる。そして、展示室横の階段を下りていくと、地下採掘場跡に到着する。

■採掘場跡内は温度が一定

 地下に下りてみると、空気が冷たく外との温度差に驚く。採掘場跡内は温度が一定に保たれ、8℃前後をキープしているとのことだ。

 筆者が訪れたGW頃は、暖かいを通り越して暑く、日差しが降り注ぐと汗ばむくらいの気温。残暑が厳しいこの時期なら、なおさら外との気温差で心地よく感じるだろう。

■直角に削りだされた地下空間は、まるでマインクラフト

直角に削りだされた石壁がマイクラを彷彿とさせる(撮影:田奈 真知)
カクカクと規則性のある採掘跡(撮影:田奈 真知)

 内部を進んでいくと視界が開け、目の前に現れるのが直角に切り出された大谷石の大空間だ。大谷石の白い岩肌がぼんやりとしたライトの明かりで照らされて、神殿のような荘厳な雰囲気。実際に、結婚式・コンサートといったイベントも行われている。

 そして、このカクカクとした規則的な採掘跡を見ると、マインクラフトの世界を思い浮かべる人も多いのではないだろうか? マイクラは自分のワールドを採掘、建築などをして広げていくゲーム。

 マイクラ好きの小学生なら、実際の採掘跡を見て採掘方法や歴史を勉強するのもいいだろう。「採掘するのはこんなに大変なんだよ。コントローラー動かすだけじゃ掘れないんだよ」「マグマだまりある?」などの会話が弾むかも(マグマ出たら大変)。