北海道の大雪山が「秋の魔法」に包まれる季節がやってきた。壮大な山岳風景に、樹木の鮮やかな色彩が加わる、まさに大自然の贈り物。訪れる者は皆、その美しさに魅了される。

 今回は、日本中を車で旅する筆者が、大雪山の層雲峡ロープウェイから紅葉谷を歩いて紅葉滝へ至るハイキングコースを紹介する。

 大雪山の頂から谷底までの紅葉を眺め、まるで絵画の中に迷い込んだような錯覚を覚えるはずだ。大雪山の峡谷美、すばらしい紅葉、近くの沢から聞こえるさわやかな水音、ハイキング到着地点の紅葉滝などがパーフェクトな絶景を生み出している。死ぬまでに一度は見たい景色であること間違いなしだ。

■大雪山層雲峡とは?

層雲峡の雲海(撮影:分銅英雅)

 大雪山層雲峡は北海道の大雪山国立公園にあり、石狩川沿いに続く約24kmの断崖絶壁の景観が有名な峡谷だ。ここを訪れる旅行者の大半は、黒岳ロープウェイとリフトを使って行ける黒岳5合目の絶景(運がよければ雲海にも出会える)と流星の滝・銀河の滝を見るのが目的となっている。

■紹介するルート

 今回は、層雲峡ビジターセンターから紅葉滝までを、層雲峡の渓谷美を背景に紅葉鮮やかな紅葉谷を歩くハイキングコースを紹介する。この周辺の紅葉の見ごろは10月上旬〜中旬。ハイキングコースは、ゆっくり歩いて1時間30分程度だ。

 まず車であれば層雲峡公共駐車場か、黒岳ロープウェイ層雲峡駅駐車場に駐車。そこで、ハイキングの準備をして出発だ。ハイキングとはいえ目的地の紅葉滝近くは道が険しく、むき出しの岩や木の根が行く手を阻み登山のようになるため、軽装はご法度。サンダルや底が滑りやすい靴は危険なので、トレッキングシューズが必須だ。また、手袋、タオル、水筒、熊鈴もあった方がよい。

層雲峡の出発地点近くの風景(撮影:分銅英雅)

●層雲峡公共駐車場

住所:北海道上川郡上川町層雲峡温泉

●黒岳ロープウェイ 層雲峡駅駐車場

住所:北海道上川郡上川町層雲峡 層雲峡駅