■百名山&観光名所「八幡平」 心地よい湿原ハイキングが楽しい
初心者でも登れる百名山として人気の八幡平は、毎年雪解け時期に鏡沼のドラゴンアイが話題になる。まさに竜の目のような迫力があり神秘的な風景だが、ドラゴンアイが現れる時期の八幡平は雪山だ。
筆者は秋のハイキングをおすすめしたい。秋なら雪はもちろんなく、真夏のような暑さもないため、快適なハイキングを楽しめる。
秋の八幡平は湿原の草が色付き、笹や常緑樹とのコントラストが美しい。場所によっては岩手山や茶臼岳も見え、見渡す限り美しい景色が広がる。秋の風を感じながら草紅葉の湿原を歩くのはとても心地よく、何度も深呼吸をしたくなる場所だ。
登山道(散策路)はアップダウンが少なく木道歩きが多いので、初心者や子どもでも歩きやすい。筆者は2021年10月上旬に、4歳の娘と60代後半の両親の3世代で八幡平を訪れたが、全員無理なくハイキングを楽しめた。
●八幡平
標高:1,613m
山開き:6月1日
場所:岩手県八幡平市(山頂)、秋田県仙北市、鹿角市
URL:トレッキング|八幡平市観光協会 (hachimantai.or.jp)
・登山口へのアクセス
アクセス道路(八幡平アスピーテライン)冬季閉鎖は、例年11月中旬~4月中旬
■高山植物の宝庫「秋田駒ヶ岳」 お花畑も紅葉も美しい隠れた名山
日本200名山の一つである秋田駒ヶ岳は、「日本百名山」の著者である深田久弥が、百名山に選定するかどうか迷った山と言われているほどの、隠れた名山だ。
高山植物が豊富で、横岳と小岳の間を通る馬場の小路は通称「ムーミン谷」と呼ばれ、花畑がとくに美しいと人気である。
筆者は2022年9月末に秋田駒ヶ岳に登った。天気に恵まれ、登山道脇の紅葉した草木や色付いた男女岳(おなめだけ)が青空に映え、何枚も写真を撮った。阿弥陀池周辺にはベンチがあり、池に映った山を見ながら食べる昼食も最高だ。
8合目小屋がある登山口から入り、西側の登山道を進んで阿弥陀池を目指すコースは難所が少ないため、初心者でも比較的歩きやすい。男女岳、男岳、横岳に囲まれた阿弥陀池を目指すだけでも十分楽しめるが、ピークハントしたい場合は急登や危険箇所もあるので、技術と体力が必要だ。
●秋田駒ケ岳
標高:1,637m
山開き:6月1日
場所:秋田県仙北市(山頂)、岩手県岩手郡雫石町
マイカー規制:6月1日〜10月20日までの土曜日、日曜日、祝日と6月21日〜8月15日の平日
・登山口へのアクセス
アクセス道路(秋田県道127号駒ヶ岳線)冬季閉鎖は、例年11上旬~5月下旬
■装備を万全にして、冬季閉鎖前の名山を楽しもう!
東北の山は10月になると吹雪くこともある。秋山に出かける前には天気をよく確認し、無理な行動は控えること。防寒具も忘れずに持参しよう。
また、今回紹介した山へアクセスする道路は10月下旬頃や5月でも、天候や路面状況によって通れない日がある。「せっかく来たのに道路が閉鎖されている」とがっかりしないためにも、とくに遠方の方は確実にアクセスできる10月上旬頃までに出かけるとよいだろう。
鳥海山と秋田駒ヶ岳は活火山なので、出かける前の火山活動の確認も忘れずに。