夏山の代表格である北アルプスを目指す人に向けて、登山のトレーニングとしておすすめしたい神奈川県の「塔ノ岳」を紹介する。小田急小田原線・渋沢駅からバスで15分と、公共交通機関のアクセスも良好だ。

■トレーニング時のポイント

 標高2,000〜3,000m級の北アルプスを目指すにあたって必要になるのは、長時間登り続けるための体力と精神力だ。

 体力をつけることを目的とした登山においては、休憩の取り方に気をつけてほしい。「50分歩いて10分休憩」のサイクルを続けていくと、長く歩けるようになっていく。

 これは登山歴25年の登山者から教えてもらった方法なのだが、その根拠は2つあるそうだ。1つ目は、50分を歩き切ることでリズムができ、ダラダラと休むことがなくなるから。2つ目は、人は50分程度なら集中力が続くので、気力体力ともに疲れる前に休憩をいれバテを防ぐことで、体のコンディションが整った状態で歩けるからだ。

 また、長時間登るような山は、日帰りのアタックが難しい山でもある。そうなると必然的に荷物が増える。重い物を担ぐ、というのも体力を削られる原因となるので、宿泊を想定して着替えや行動食を多めに持っていき、重い荷物への対応力も備えておきたい。