■NG行為3 塩分や糖分を考えない水分補給

 登山で水分補給が重要なのは、多くの人が知るところ。喉を潤すために、ペットボトルや水筒にいつもより余分に持っていくことが見受けられるが、水分補給と合わせて考えなければならないのが「塩分」や「糖分」だ。

 多量の汗をかく登山では、発汗によって失われる塩分や、運動によって失われたエネルギーの補給も考えた水分補給が必要となる。

スポーツドリンクは発汗で失った塩分や糖分を補える(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 発汗では水分や塩分が失われ、運動では糖分が失われる。市販のスポーツドリンクは、塩分や糖分を含むため、水よりも早く体に吸収され、発汗で失われた塩分と運動で消費したエネルギーも補給できるのでオススメだ。

 しかし注意点も。市販のスポーツドリンクは塩分や糖分が多量に含まれるため、そのまま飲むと人によっては塩分や糖分過多となってしまう。水で薄めて飲むなどの対策も検討しよう。

■NG行為4 尿を我慢したり、出なくてもそのままにする

 登山中に、「山小屋」や「避難小屋」に立ち寄った際、十分な水分を摂っているにもかかわらず尿が出ない場合は要注意。

 尿は体に溜まった疲労物質を排出するが、尿が出ない場合、後になって急に体調不良を引き起こすおそれもある。

 尿を出しやすくするには、水分補給を「一気に行う」のではなく、「少量ずつこまめに」行うといった対策が有効だ。

 また、「登山中」「山小屋」「簡易トイレ」という、日常と違う空間では心理的な抵抗感から尿が出にくいこともある。

 環境が変わってもリラックスして排尿ができるよう、公園やキャンプ場などのトイレを積極的に利用したり、簡易トイレの使用練習をするなど「自宅以外の場所での排尿」の抵抗感を減らしておくのもよいだろう。

 なお、登山の際には小屋以外の場所でも排尿ができるよう、簡易トイレを携行するのもオススメだ。