■野見宿禰命へのリスペクトを込め、相撲みくじにトライ!
野見宿禰命は、『日本書紀』に登場する相撲の神様。垂仁天皇7年7月7日という、なんともラッキーフィーバーな日に、天皇の前で剛勇・当麻蹶速(たいまのけはや)と相撲をとり、見事勝利。この対戦が相撲の起源として知られるようになったそうだ。
ただ、今の相撲とは全然違う。『日本書紀』には、「互いに足で踏み合い、宿禰が蹶速の脇骨を踏み折って殺した」と書かれている。殺してんじゃん(汗)。怖すぎるんですけど!
日本神話は知れば知るほどバイオレンスである。
ただ、野見宿禰は力自慢だけでなくこんなエピソードもある。当時は、天皇など権力者が死ぬと、古墳を作り家来たちも生き埋めにするという恐ろしい殉死の儀礼があった。これを、土人形を作って代用するアイデアを出したというのだ。グッジョブ、「埴輪(はにわ)」の生みの親!
そんなワイルド&クリエイティブな御祭神、野見宿禰命へのリスペクトを込め、相撲みくじにトライ!
中にガッチガチに丸めて入っていたおみくじを苦心しながら広げると、「小結」の文字。
吉運を相撲番付で表現してくれているようだ。ほっほう、なかなか楽しい。
しかもアドバイスが非常におおらかだ。「人生楽ありゃ苦もあるさ」。どうしても水戸黄門のメロディーと里見浩太朗さんの声で脳内再生される。
「のんびり進めば吉、地方巡業にでも出かけよう」。地方巡業とはこれまた粋な言い回し。ちょっとした旅に出てみろということなのだろう。 うまいっ。水戸黄門を交えながらの着地はしっかりと相撲に戻っている。
金運はちょっと意味がわからない。衝動買い注意ということだろうか。健康「夜遊び注意、腰砕け」や御縁「大型美人を望めば叶う」は、アドバイスというより、居酒屋のコミュニケーションチックである。ここまで少々ウケ狙いっぽいのに、学業は「為せば成る」。いきなりヒネリなし、基本中の基本の助言!
なんともユーモアあふれる小結さんにほっこり。暑さにヒイヒイいいながら行ってよかった、高槻の野見神社。勝負に勝つコツとは、意外にこういうことかもしれないなあ。難しく考えず、楽しむのが一番。
おみくじの通り、夏はのんびり地方巡業(小旅行)でも行ってみるか……。もちろん日傘は忘れずに。みなさんも暑さにはくれぐれもお気を付けください。よい夏を!