突然ですがクイズです! この本のタイトルと作家の名前は?
「おっ、与謝野晶子の『みだれ髪』じゃないか」とすぐ分かった方、素晴らしき!
今回のおみくじ旅は、大正から昭和、激動の人生を歩んだ与謝野晶子に縁の深い大阪府堺市の開口神社(あぐちじんじゃ)である。西暦200年頃、神功皇后(じんぐうこうごう)が航海の神・塩土老翁(しおつちのおじ)神を祀るため、創建されたと伝えられている。
山之口商店街を曲がったところにひょっこりあるが、鳥居をくぐると意外な広さにビックリ。見回すと境内にあちこちに小さな神社がある。その数なんと22社!
その中をくるっぽーくるっぽーと気持ち良さそうに散歩している。嗚呼、のどかやな……。
この本殿の向かって右に与謝野晶子の歌碑がある。というのも開口神社と与謝野晶子の生家である和菓子屋「駿河屋」はご近所さん。とても縁が深いのだ。きっと何度もここを訪れたはず。
「少女たち開口の神の樟の若枝さすごと伸びて行けかし」
(故郷の少女たちよ、開口の神の大クスノキから新しい枝が生まれるように成長してください)
晶子が故郷の若い女性に向けて詠んだ歌が刻まれている。
与謝野晶子といえば、恋に生きたイメージがある。22歳で歌人・与謝野鉄幹と不倫関係になり、23歳で大阪の実家を飛び出して鉄幹のいる東京に行き、すったもんだんの末結婚。『みだれ髪』も鉄幹への情愛に溢れた愛がいっぱいで、なかなか色っぽいというか生々しいというか。自分の感情に素直で行動力も凄まじき!
仕事に対するバイタリティも素晴らしく、60歳のとき関東大震災で『新訳源氏物語』の2度目の訳の原稿を焼失したが、めげず『新新訳源氏物語』を完成させたというエピソードは感動で震える。
様々な逆風やトラブルをものともせず、妻として母として(12人の子持ち!)歌人としてエネルギッシュに生きた彼女からパワーをいただきたい!
いつもは恋と名の付くみくじは引かない主義だが、今回は小銭が無いにもかかわらず、両替してもらってまで引いてみました「晶子恋歌みくじ」。
筒を開けると、なんということでしょう……! カワイイ水引まで入っている!
願事も旅行も発見商売も勉強も転居もオッケー、待ち人も来るし縁談はいい…… と晶子様、ひたすら背中を押してくださる。なんとやさしいのか!