■ニホンカモシカ:幸運を運ぶ動物

こちらをジッと見つめるニホンカモシカ

 名前からシカの仲間と思われがちだが、実はウシ科の動物である。足が短くてずんぐりとした体型で、角が後ろ側に湾曲しているのがニホンカモシカの特徴だ。おとなしい性格で、近くに人がいても逃げずにじっと見つめてくる様子がよく目撃されている。

 崖や岩場など、足場の悪い場所でも歩けるので、落ちない、滑らないといった特徴から「幸運を呼ぶ動物」ともいわれており、出会うと縁起がよいとされている。

名称 ニホンカモシカ
分類 偶蹄目ウシ科ヤギ亜科
生息地 北海道と中国地方を除いた本州、四国、九州に生息する
備考 国の特別天然記念物に指定。九州地方、四国地方では絶滅のおそれのある地域個体群に指定されている

■ナキウサギ:鳴き声が特徴的な「生きた化石」

岩場にひそっりたたずむナキウサギ

 ナキウサギは、氷河時代にシベリア大陸から北海道にやってきたため、「生きた化石」とも呼ばれる。一見したところハムスターのようで、目がくりくりしていて可愛らしい。また、甲高い鳴き声が特徴的だ。冷涼な場所を好み、暑い場所が苦手なため、日本での生息地は北海道の山岳地帯に限られる。

 ナキウサギの見られるポイントは、風穴地帯と呼ばれる、岩のすき間から冷たい風が吹くような場所。風穴地帯の岩場で、食べ物を運ぶ姿や日向ぼっこをしている姿などが見られる。しかし、ナキウサギは警戒心が強く、人が近づくとすばやく逃げ出すことが多い。そのため、鳴き声に気づいたら動かず、静かに周りを見わたしてみるとよいだろう。

名称 ナキウサギ
分類 ウサギ目ナキウサギ科ナキウサギ属
生息地 北海道・大雪山系連峰、日高山脈から夕張山地、北見山地など
備考 絶滅のおそれのある地域個体群に指定されている