おみくじ――。それは神様のアドバイスが書かれたスペシャルな印刷物。神社によっては遊び心満載なものを独自で発行していると聞く。関西は神社が多く、古都である京都と奈良は言わずもがな別格。ならば私はあえて京都と奈良以外で、大なり中なり小なり片っ端から個性的なおみくじを探しにいこうではないか。そんな決意を持ち、南海電車・住吉大社駅に降り立った。
■住吉大社みくじ巡り
住吉大社は、日本全国に2300もある住吉神社の総本社だ。広い敷地に社殿が点在し、産業、農業、お祓い、和歌、相撲、航海安全(遣唐使の)と様々なご利益があることで知られる。
住吉大社の駅のホームを出ると、さっそく「さあ引いてみよ」とばかりに、QRコード式のおみくじが出現。
そして、ここで出た数字の受け取りはセルフ。住吉大社の鳥居をくぐると、右手に様々なおみくじが置かれたコーナーがある。恋みくじ、こどもみくじ、普通のおみくじ……。
200円を入れ、普通のおみくじから十二番の紙を取る。
おお「大吉」! それは嬉しいのだが、項目がたった4つだ。
多くを語らないが、和歌の主張は強い。シンプルかつ風流に運勢を説明する……。これが住吉みくじのスタイルのようである。
後々、私はこのおみくじで大失敗していたことに気付くのだが、それは最後に語るとしよう。
先に、有名な「こどもみくじ」を説明せねばなるまい。
私は「神武天皇」を引き当てた。オオッ、日本国の創始者が出るとは「大吉」は間違いない! ……と思いきや、裏を見ると運勢は「吉」。しかも「急がずに 一度止まろう まがり角」という耳の痛い標語まで書かれていた。厳しい。
が、まだまだ立ち止まってはいられない。「招福猫」で有名な楠珺社(なんくんしゃ)に足を進める。ここには打ち出の小槌型のおみくじがあるのだ。