受験シーズン真っ盛りである。今回紹介するのは、大阪北部の山中にある勝尾寺(かつおうじ)。勝運の寺として受験生や経営者などから絶大な人気を誇る。また、史跡「勝尾寺旧参道」の厳しい山道を通じて、勝尾寺が伝える「勝つ」という本当の意味にも迫る。

■ダルマだらけの「勝運の寺」勝尾寺

 勝尾寺があるのは、大阪府北部の箕面市。山の上にある寺の本堂は標高389mある。

 平安時代、当時の住職が、清和源氏(せいわげんじ)の祖としても有名な清和天皇の病気平癒祈願を行い、成功した。その時、清和天皇から賜られた寺号は「王に勝った寺」という意味での「勝王寺」。しかし王に勝つとは畏れ多い。そこで「王」を「尾」に変えて「勝尾寺」と名乗ることにしたらしい。故に勝尾寺は、「かつおじ」ではなくて「かつおうじ」と読むのである。

勝尾寺のいたるところにおみくじダルマ(撮影:野口宣存)

 勝尾寺で特に有名なのは、勝運の「勝ちダルマ」。そしてまず目につくのは、あちこちに鎮座する小さなダルマである。これは「ダルマみくじ」のダルマ。おみくじを引いた後は、ダルマを持って帰ってもよいのだが、思い思いの場所に奉納する人も多いらしい。

勝尾寺、こんなところにもおみくじダルマ(撮影:野口宣存)
勝尾寺の勝ちダルマ奉納棚(撮影:野口宣存)

 続いて目を引くのは、本堂に至る参道にある勝ちダルマ奉納棚。念願成就し、両目を入れられた大量のダルマが奉納されている。迫力満点の光景だが、よく見るとダルマの目入れにも個性が光って面白い。