京都で最強の縁切り神社として知られる「安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)」。元々は、天智天皇(てんちてんのう)の時代に藤原鎌足(ふじわらのかまたり)が一堂を創建し、紫色の藤を植え藤寺と号して、家門の隆昌と子孫の長久を祈ったことがはじまりである。
崇徳天皇(すとくてんのう)は、特にこの藤を好んで、1146年に堂塔を修造して、寵妃の阿波内侍(あわのないし)の住居とした。
崇徳天皇(上皇)は3歳で第75代天皇に即位するも、21歳で譲位を迫られ、1156年の保元の乱以降に反乱の疑いで讃岐(香川県)に流され、亡くなった。
1177年、後白河法皇(ごしらかわほうおう)の命令により建立された、光明院観勝寺が当宮の起源となる。光明院観勝寺は応仁の乱で荒廃したが、1695年に太秦安井(京都市右京区)にあった蓮華光院が当地に移建された。
この時に崇徳天皇に加えて、讃岐の金刀比羅宮より勧請した大物主神(おおものぬしのかみ)と、源頼政を祀ったことから「安井の金比羅さん」の名で知られるようになった。
■安井金比羅宮は「縁切り神社」
崇徳天皇が、流された讃岐の金刀比羅宮で、一切の欲を断ち切って参籠(おこもり)されたことから、古来より断ち物の祈願神社として信仰されている。
戦のため阿波内侍(あわのないし)と別れることになった崇徳上皇は、人々が悲しい境遇に合わないよう、幸せな男女の邪魔をする全ての悪縁を絶つと言われている。
男女の縁はもちろん、病気、酒、煙草、賭事など、全ての悪縁を切り幸せに導くのだが、良縁に結ばれたご夫婦やカップルが参拝しても、縁が切れることはないだろう。
●参拝の方法
縁切り縁結び石は、高さ1.5メートル、幅3メートルの絵馬の形をした巨石で、中央の亀裂を通して神様の力が円形の穴に注がれていると言われている。
1. まず御本殿に参拝する
2. 次に「形代」(身代わりのおふだ)に願い事を書く。
3. 形代は石の左側の台に用意してあり、100円以上のお志を納める
4. 形代を持って、願い事を念じながら石の表から裏へくぐる
5. 同じく形代を持って願い事を念じながら、石の裏から表へくぐる
6. 最後に形代を石のどこでも好きなところに貼りつける
●安井金比羅宮
住所:京都府京都市東山区下弁天町70
営業時間: 9時00分~17時30分
電話: 075-561-5127