暦の上では立春だが、まだまだ寒い日は続いている。そして現在は受験シーズン真っ只中。受験生の皆さんやその親御さんは入学試験に向けて、大変な思いをされているはずだ。
ただやれることをやりつくしたあとは、もう神頼みしかない。そこで今回は、やれることをやりつくしたあとに頼れるかもしれない、勝負の神様にプチ登山で参拝する。そして戦国時代を最後に勝ち残った徳川家康ゆかりの城跡にも立ち寄ってみた。
■まけきらい稲荷
勝負の神様とは、兵庫県丹波篠山市の「まけきらい稲荷」。この稲荷の由来は江戸時代にさかのぼる。
毎年江戸で開催される将軍上覧大相撲で、いつも篠山藩の力士は負け続けていた。まけきらいの藩主はこのことに機嫌を悪くしていたが、ある日篠山藩出身だという力士10人が現れ大活躍。ところがその力士たちは、藩内のお稲荷さまたちだったという話だ。
篠山盆地の中心にある標高248mの王地山(おうじやま)にまけきらい稲荷は鎮座する。ただ、稲荷社は山頂にあるわけではない。西側の標高235mあたりの尾根にたたずむ。なお、篠山盆地自体が標高200mちょっとあるので、王地山は下から見ると、数十mの小山に過ぎない。
まけきらい稲荷の社殿で人気なのは、米俵を抱えるマッチョなお稲荷さま。神様に対して失礼だが、かわいい。しっかりお参りして勝負運をいただいて帰ろう。
まけきらい稲荷の鳥居の右脇からは、「王地山公園散策道まけきらいの道」という散策道があり、王地山山頂まで続いている。まけきらい稲荷の裏手にもつながっているので、参拝の後、まけきらいの道を散策するのが効率よい。
王地山山頂は、南側に向かって眺望が開けている。平地との標高差は数十mしかないが、意外と見晴らしがよい。山頂からは、「国史跡八上城(やかみじょう)跡」がよく見える。八上城は、徳川家康が篠山城(ささやまじょう)を築城する前の、篠山の行政を担う城だった。