■2.筋肉のケアをする

●膝痛予防のための「セルフマッサージ」

マッサージは疲労や痛みを軽減する効果がある

 膝痛の原因が「筋肉の疲労」であることは多い。前述した通り、筆者はマッサージ師として従事しているが、膝痛に対してマッサージを施し、筋肉の緊張や関節可動域に変化を与えることで、痛みが改善するケースもよく目にする。

 膝痛の原因として考えられる「大腿四頭筋」。太ももの前側についている筋肉で、ヒザの皿とも繋がっている。大腿四頭筋に疲労がたまることで、ヒザの正常な動きが妨げられ、関節痛へと繋がることが多い。

 この筋肉のセルフマッサージを紹介する。

 鼠蹊部からヒザのお皿の下までついている「大腿四頭筋」。その部分を念入りにマッサージする。

1. 太ももの前側は押してから動かす
2. ヒザのお皿の周囲を指圧する
3. ヒザのお皿を上下左右に動かす

■3.筋肉を強くする

●関節を強くする「筋トレ」

ヒザの痛みの予防として効果的なハーフスクワット

 筋肉が弱いと負荷に耐えきれなくなり、膝痛の発生に繋がる。そうならないためにも、筋トレを行い、筋肉を鍛えておくことは大切である。

 先程ご紹介した、大腿四頭筋を鍛える「ハーフスクワット」を紹介する。歩くための筋肉を鍛えるためには、大切なトレーニングである。ただし、痛みを感じた場合はすぐにトレーニングを中止していただきたい。

 「直立状態」→「膝を30度〜50度程度曲げる」を繰り返す。「背中を丸めない」「ヒザを前に出しすぎない」を意識して行う。

■いつまでも登山を楽しむために

 「ヒザ」は二足歩行である人間にとって、欠かせない関節である。故に、他の関節に比べ疲労が溜まりやすく、故障が多い部位でもある。

 登山は「歩いて登る」というシンプルなアクティビティなので、体のコンディションが及ぼす影響は大きい。痛みや違和感を感じている状態では、十分に楽しむことはできない。

 いつまでも登山を楽しむために、膝痛予防の参考になれば幸いである。