■あの世との境へ
あの世に通じる道が京都に存在するのをご存じだろうか? 六道とは仏教の教義で、地獄道(じごくどう)、餓鬼道(がきどう)、畜生道(ちくしょうどう)、修羅道(しゅらどう)、人間道、天道をさす。
人の生まれ変わりは、生前の悪行によって六道のいずれかに転生する。すなわち、六道の辻は、六道へ通じる道の分かれる所の意味なのだ。
●みなとや幽霊子育飴本舗
亡くなった女性が自分の子供を育てるために、三途の川を渡るためのお金(6文)を毎日1文ずつ使って、この飴屋に飴を買いに来ていたという伝説がある。
女性が亡くなった数日後、土の中から幼児の鳴き声がするので、掘り返してみると、亡くなった女性が産んだ子で、その当時毎晩飴を買いに来ていた婦人は幼児が掘り出されてからは来なくなったとか。それ以降、この飴屋は幽霊子育飴と名乗るようになったと言われている。
このような飴が現在も売られていることが、京都の面白いところだ。ちなみに、当時は水飴だったと言われているが、現在は固形の飴が売られている。
十分な数量を用意しているが、売り切れることもあるそうだ。
●補陀洛山 六波羅蜜寺(ふだらくさん ろくはらみつじ)
六波羅蜜寺は、「南無阿弥陀仏」を唱える口称念仏を、初めて実践した空也上人が開創した。
空也上人の名前は知らなくても、口の中から仏の出ている人物の像を見たことのある方は多いはずだ。
六波羅蜜寺のパワースポットは 境内の入って右側にある「一願石」。石が回る仕組みになっていて、願いながら、石を3回回すと願いがかなう。
水を司る七福神唯一の女神弁財天も祀られており、「銭洗い弁財天」ではお金を洗って、金運や財運をあげる。
「開運推命おみくじ」は怖いほど当たると有名で、毎年12月20日から授与が始まる。14~87歳が対象年齢となり、旧暦で記されている。
●六道珍皇寺
朝廷の官僚でありながら閻魔宮の役人も務めたと言われる小野篁(おののたかむら)が、地獄へ通う際に使ったとされる井戸が境内にある(精霊迎えの時期数日のみ公開)。
このような伝説があるのは、平安京の東の墓所であった鳥辺野に至る道筋にあたり、この地で「野辺の送り(のべのおくり)」がなされたことによるものだという。
野辺送りとは、葬儀が終わった後に故人を埋葬する場所まで、あるいは火葬場まで送ること。
■京都中の神社仏閣を巡る散策がおすすめ
京都には無数の神社仏閣があり、何日かかっても回り切れるものではない。今回のように、ごく小さい地域に絞っても見どころはたくさんある。
ちなみに、「知恩院」「八坂神社」「清水寺」「高台寺」「京都護国神社」「建仁寺」「えびす神社」などを加えると、徒歩で1日コースとなる。足に自信のある方は、試してもらいたい。
※この記事の情報は2022年9月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPなどでご確認ください。