NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、大泉洋が演じる源頼朝が起こした史上初の武家政権・鎌倉幕府で、金子大地演じる二代目将軍源頼家が御家人らと政治を行う合議制を作っていく様を描く。13人の合議制が始まってからは、小栗旬が演じる主人公の北条義時が他の有力御家人を粛清しながら、北条氏が将軍に次ぐNo.2の役職「執権」を世襲していく様が丁寧に描写されている。
ドラマの中で人気を博しているのが中川大志演じる畠山重忠。重忠公は、頼朝公が最初に挙兵した「石橋山の戦い」では平家方として敵陣についていたが、その後頼朝公に降伏し、恭順。この後、重忠公はさまざまな合戦で武功をあげ、清廉潔白な人柄から「武士の鑑」と称された人物である。
13人の合議制の一員ではないものの、幕府の中心人物の1人でもあった重忠公。晩年、重忠公の息子と北条時政と牧の方の娘婿である平賀朝雅(ひらがともまさ)が酒席で言い争いになったことをきっかけに畠山家に謀反の疑いがあるとして、時政は畠山親子の誅殺を決意。
幕府で権力を握った北条氏に謀反の疑いをかけられた重忠公は、疑いを否定するも潔く戦うことが武士の本分と考え「二俣川の合戦」で、心ならずも任務を負った北条義時の軍と戦い最期を遂げた。
二俣川古戦場と呼ばれるこの地は、現在の横浜市旭区鶴ヶ峰周辺にあり、街の中に重忠公ゆかりの地が多くある。このゆかりの地は、相模鉄道本線「鶴ヶ峰」駅を起点に約1時間でぐるっと歩いて廻れる場所に点在している。
今回はそんな「武士の鑑」畠山重忠を忍びながら歩く歴史ハイキングについて紹介しよう。
■駕籠塚
鶴ヶ峰駅から北西、徒歩15分の場所にある駕籠塚(かごづか)。ここは重忠公に謀反の罪がかけられたと知った妻が駕籠に乗って、夫が闘う二俣川の地に赴くも、重忠公が戦死したと聞き自害した場所である。重忠公の妻が乗っていた駕籠と一緒に埋葬されたので駕籠塚と呼ばれており、少し大きめのこんもりとしたお墓が祀られている。
この駕籠塚は重忠公と妻の絆が感じられ、切ない気持ちになるゆかりの地である。
・駕籠塚へのアクセス
相模本線「鶴ヶ峰」駅から徒歩約15分