兵庫県赤穂市は古くから塩作りが盛んな地域で、現在も国内生産量の2割を誇る。市内には塩作りの学習や体験ができる施設もあり、目を輝かせながら学ぶ子どもも多い。
また、赤穂の代名詞「忠臣蔵」の47義士を祭る「赤穂大石神社」や赤穂城に加え、保湿効果が高い「食塩泉」の温泉や、「日本の夕陽100選」の「赤穂御崎」の絶景、お土産に大人気のお菓子など、観光スポットも豊富。
今回は夏休みの家族旅行をテーマにした、赤穂市の観光プランを紹介する。
■弥生時代からの「塩のまち」
赤穂は瀬戸内海に面した城下町で「塩のまち」として知られる。弥生時代には塩が作られていたとされ、全国で初めて平安時代の塩田の遺構も発掘。江戸時代には「塩田」として開拓された。
海の干満によって塩田に海水を導き、砂を湿らせて塩を作る「入浜式(いりはましき)塩田」は江戸時代に確立され、約300年間続いた。
昭和20年代から、竹の小枝を6mぐらいの高さで組み合わせた「枝条架(しじょうか)」と呼ぶ装置から海水を滴下(てきか)させて塩分濃度を高める「流下式(りゅうかしき)塩田」が開発され、昭和46年までこの方法で作業が行われた。