昨年末から雪が降り続き、スノースポーツを楽しむコンディションは順調に整ってきている。スキー場や温泉地への道中は雪道の運転がつきものだ。スキーやスノーボードで滑るはいいけれど、車で滑ってしまうのはいただけない。

 長野在住のカメラマン(冬はスキーをメインに撮影)である筆者は、職業柄雪道の運転も業務の一部のようなもの。慣れてはいるが、逆に怖さも経験している。スリップ事故を起こさない、巻き込まれないようにするために気をつけているポイントを紹介したい。

■「雪よりも怖いのは氷」滑りやすい場所を考える

朝7時頃の凍結路面
夜間に10cmほどの積雪があった翌日の13時。同じ場所の路面状況

 最近のスタッドレスタイヤの性能は素晴らしく、除雪された後軽く積もった程度の雪や締まった雪上では、かなりのグリップ力がある。ロードヒーティングや凍結防止剤の塩化カルシウム(塩カル)などの散布によっても、ずいぶんと走りやすくなっている。

 それでも油断は大敵! 滑りやすい場所は存在する。快適な路面状況ほどスピードが出がち。慌ててブレーキを踏んだところが滑りやすい路面だと制動できず、スリップして追突したり、スピンして道端に突っ込んでしまう。

 雪や氷が溶けにくい。溶けてまた凍って……を繰り返す場所。ガタガタのところや磨かれてツルツルになっているところ……。そういったところは要注意だ。雪道の下が凍結していることもある。

■「山坂道」は危険がいっぱい!  見通しの悪いカーブは用心に用心を重ねて……

スキー場に向かう山間部の道路。上り(左側)は路面に積雪がない

 スキー場=山なので、周囲より高いところにある。温泉も山間部にあることが多い。行きは上り、帰りは下りになることがほとんどだろう。山坂道の運転は避けては通れない。

 厄介なのが下り坂。夏でもスピードが出やすくて止まりにくい。冬は滑りやすい路面状況なので、より危険度が増すのは言うまでもない。先が見通せれば予測もできるが、カーブが連続するような場所は先が見えにくい。十分にスピードを落として走行しよう。

 下りは上りの車線に比べて雪が消えにくく、凍っていることも多い。そのため下りの対向車が滑って、センターラインをはみ出してくることもあるので、上りでも十分に気をつけて。