しっかりと雪も降り積もり、気温も冷えたままの状態が続くようになってきた。そろそろ山奥の滝も凍っている頃合だろう。かねてより狙っていた氷瀑へ、アイスクライミングに行ってきた。
アプローチは機動力と楽しさを併せもつ、スキーを利用したバックカントリースキーだ。パウダースノーと氷。両極端な水の形だが、これらを合わせて楽しむことができる。名付けるとすれば、“パウダー&アイス!”
■「パウダースノーと氷」両方を楽しむ!
本来、これらは別個のアクティビティ。言うまでもなく、パウダースキーは柔らかく深い新雪を求め、アイスクライミングは硬く氷結した氷を求める。相反するように思えるが、北海道において、このアイスクライミングとバックカントリースキーは、同じフィールドで行えるところが多い。
さらに言えば、アイスクライミングのシーズンは、パウダースキーのハイシーズンと時期が重なる。雪さえ降れば、すべての山が対象となるバックカントリースキーに比べ、アイスクライミングのフィールドは水の流れのある場所に限られる。そのアイスクライミングの対象となる氷瀑は、アプローチが困難な山の奥にある場合も多い。
雪が深く、柔らかい真冬の北海道の山。ロングアプローチで有利に使えるのはスノーシューよりスキーだ。登りのスピードが変わらなかったとしても、下りのスピードと労力は比べものにならないほどスキーが有利であり、滑る楽しみもある。
そんなパウダー&アイスのスタイルで、冬の十勝連峰エリアへおもむいた。
■「行ってみなければわからない」 雪の秘境へ
今回目指したのは、十勝連峰・富良野岳の近くにある滝。国際山岳ガイドの石坂博文ガイドと一緒だ。
今シーズンはなかなか雪が降り積もらず、気温も安定して下がらなかったために積雪が遅く、氷の発達も遅かった。麓から見えない山奥にある氷瀑の情報はそうあるものではなく、シーズン初めは現地に行ってみなければわからない。そもそも雪がなければアプローチもできないし、行っても氷瀑が仕上がっていなければ登れないというリスクもある。それでも、チャンスがあればトライしてみるだけの魅力がある。