■秋の名残とライトアップを一度に楽しむ贅沢なハイキングはいかが

 赤目四十八滝(三重県名張市)は、「日本の滝100選」に選定されるほど本格的なアウトドア環境でありながら、大阪から車で約2時間とアクセスもよい。子ども連れのファミリーハイキングから本格的なトレッキングまで楽しめる関西で人気のアウトドアスポットの一つ。紅葉シーズンは駐車もままならないほど混雑することも。

 行楽客の姿がまばらとなる今が、渓流本来の静寂を楽しむチャンスだ。まだまだ秋の彩を残す渓谷をゆったりと散策ができる。さらに夕刻からは竹あかりが峡谷を照らす幽幻の世界を楽しめる贅沢なハイキングに出かけてみては。

■オオサンショウウオがお出迎え

赤目四十八滝渓谷の入り口

 駐車場(有料)から土産屋が並ぶエリアを抜け、森の小道を数分歩くと国の天然記念物・オオサンショウウオをモチーフにしたキャタクターが迎えてくれる。実は、渓谷入り口は「日本サンショウウオセンター」の展示室を兼ねている。ハイキングの行き帰りに、赤目生まれのオオサンショウウオをはじめとした両生類の仲間を間近に観察できるユニークな施設なのだ。

苔むした岩の間を流れる渓流に沿って延びる遊歩道 (撮影日11月26日)

 初冬の散策道を登っていく。大小23ある滝を巡る散策道は片道で約3.3km。その中腹付近の日当たりの良い山肌には、まだ秋の彩が残っていた。巨岩を縫って流れる渓流に沿って作られた散策道は、崖に迫る場所や急勾配も少なくない。しかしながら、手すりや階段が設置されているなど、よく管理されている。初心者でも秘境の雰囲気を安心して楽しめるのが赤目四十八滝渓谷の魅力だろう。